国家衛生健康委員会ハイレベル専門家チーム長を務める中国工程院院士の鐘南山氏は18日の記者会見で、「新型コロナウイルスの感染は中国で発生したが、感染源が中国とは限らない。これがはっきりしない前に結論を下すのは無責任である。これは科学の問題だ」と再び強調した。鐘氏はその他の注目されている問題についても回答した。
◆感染対策は集団免疫に頼ってはいけない
英政府主席科学アドバイザーであるサー・パトリック・バレス氏はこのほど、英政府の感染拡大を防止する策略の一つとして、十分に多くの人に免疫力をつけさせること、すなわち「集団免疫」であると述べた。鐘氏はこれについて、「コロナウイルスによる死亡率が高い。今回のウイルスが1度の感染で永遠の免疫力をつけられるという証拠は今の所ない」と述べた。
鐘氏は、各国間で国際協力を強化し、共同感染対策により新型コロナウイルスに勝つべきと強調した。
◆集団免疫はワクチンが必要
「急性感染症について、最終的に集団免疫を形成するにはワクチンが必要になる」。鐘氏によると、中国は現在5つの面からワクチンの研究開発を展開している。これには全ウイルスワクチン、核酸ワクチン、アデノウイルスベクターワクチン、組換えタンパク質ワクチン、インフルエンザウイルスベクターワクチンなどが含まれる。「中国はペースを上げワクチン開発を急いでおり、米国より大して遅れることはない」
鐘氏は、「ワクチン開発の面においては広東省が順調で、mRNAワクチンの動物ウイルス排除実験などを行っている。広州医科大学附属第一病院も日夜努力を続けている。2、3カ月で大きな進展があることを願っている」と補足した。
鐘氏は、「どの国がワクチンを開発するとしても、全世界に供給する量はないに違いない。相互補完することで、全世界に供給できるようになる」と強調する。
◆健康の「秘訣」は?
鐘氏は「私は早くから健康には投資が必要であることを認識していた。私は若いころ、競技系のスポーツが好きだった。仕事を始めると生活の健康をより重視するようになった。私が現在も社会のためにまだある程度仕事ができ、あまりボケていないのは、健康であることが最も重要だからだ」と述べた。
鐘氏は体の健康の維持について、「第1に、どんな仕事であっても運動の代わりにはならない。第2に、ポジティブな考えが必要だ。健康の半分は心理的健康で、疾病の半分は心理的疾病だ。私は経験が多く考えがポジティブだから、多くのことについて笑って済ませることができる」と経験を語った。
「第3に、満腹にならないことだ。私は満腹になるまで食べたことがない。朝食を摂ることが非常に重要だ。全国民の健康がなければ全国民の小康社会(ややゆとりのある社会)もない。人々が80・90代になっても国に貢献できれば、わが民族は非常に強大になるはずだ」と鐘氏。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年3月19日