北京の実店舗書店72店がデリバリープラットフォームに進出 モデル転換の道探る

人民網日本語版 2020年03月25日10:59

新型コロナウイルス感染流行の影響で「自宅待機」を余儀なくされている人々の間では、デリバリーでタニシ麺やミルクティーなどを注文するのが人気になっているが、デリバリープラットフォームには最近、「精神的な飢えを満たす」本を販売する書店が続々と進出している。中国新聞網が報じた。

最近、北京の実店舗の書店72店が第一陣としてデリバリー大手・「美団」に進出した。美団は、無料での店舗登録、パケット補助などのバックアップを提供している。「自宅待機」している人にとって、本の宅配サービスを利用することも新たな選択の1つとなっている。

3月4日、営業を再開した建投書局国貿店(資料写真・取材対象者が提供)。

デリバリープラットフォームで「精神的糧」の購入も可能に

実店舗の書店の発展をサポートするため、北京市はこのほど、美団と「実店舗の書店+美団プラットフォーム計画」を実施することで合意し、北京市の実店舗の書店72店が第一陣として、美団のプラットフォームに進出した。

取材では、72店には、北京図書大厦などの大型総合書店や新華書店(中小門店)のほか、中信書店、建投書局など特色ある書店も含まれていることが分かった。

デリバリープラットフォームで検索してみると、書店によって、宅配サービスを利用するための最低注文金額が異なることが分かった。またアプリには店とユーザーの距離や宅配までに必要な時間も表示されていた。

画像はデリバリープラットフォームのアプリのスクリーンショット。

複合型書店の「言几又」も最近、デリバリープラットフォーム「餓了麽(eleme)」と提携して、店舗の周囲3キロ以内を対象に本を宅配するサービスを始めた。ネットユーザーはデリバリープラットフォームで本を注文すると、最速で30分以内で宅配してもらうことができる。

本の宅配サービスのメリットは?

例年であれば春節(旧正月)や冬休みの期間中は、実店舗の書店にとって稼ぎ時であるものの、今年は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて、当面の営業停止を余儀なくされている。

宅配サービスは、こうした現状を打破するために、実店舗の書店が積極的に打ちだした対策の一つでもある。しかし、「価格という観点から見れば、実店舗の書店はこの販売スタイルにおいてメリットを見いだすことはできないのでないか」との見方を示す読者もいる。

営業を再開した重慶書城でマスクをつけて本を読む男性(撮影・周毅)。

「普段は書店によく行く」という、ある一般企業に勤める劉勇さんは、「実店舗の書店のメリットというのは店内をウロウロしながら実際に本を手に取って見ることができることだ。書店が客にとって魅力ある場所であるのは、その雰囲気のほか、イベントやサロンなどのサービスを提供しているから」と言い切る。

「書店で、本が割引されることはあまりない。デリバリープラットフォームに進出後、割引などのサービスを実施しても、ネットショップと比べると、割引率は低い。また、現状を見ると、実店舗と比べると、宅配してもらえる本の数には限りがある」と劉さん。

ライブコマースや宅配サービスなどモデル転換の道を探る書店

近年、多くの実店舗の書店は、複合型業態やライブコマース、宅配サービスなど、モデル転換の道をずっと探ってきた。

営業再開初日に上海の「最高書店」で本を読む客ら(撮影・張亨偉)。

建投書局の李▲ブランド総監(▲は王へんに路)は、「今は本の宅配サービスは新鮮味があると言えるが、書店は今のうちに販売戦略をしっかりと制定し、商品を増やしておかなければならない。今後、宅配サービスを行う書店が増えれば、ブームに火が着くかもしれない」とし、「書店の宅配サービスというのは積極的なチャレンジで、このチャンスをどのように生かすかを考えるべきだ。オンラインでさらに多くの客を引き寄せ、それをオフラインに誘導することができれば、利益を得るルートが増える」との見方を示す。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年3月25日

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