デリバリースタッフに思いやりを 北京に「善意のコーナー」登場

人民網日本語版 2020年03月13日15:54

北京市にあるSOLANA藍色港湾ショッピングセンター入り口に、このほど無人の「善意のコーナー」が設けられた。そこには、「安心して。私たちは皆無事です。あなたたちもきっと安全に家族の元に戻れますよ!」や「季節が巡り、春が必ずやってくるように、あなたにもきっと平安が訪れます」といったメッセージが書かれたメモがたくさん貼られている。昼過ぎに同ショッピングセンターを訪れ、「善意のコーナー」でこうしたメッセージを目にした北京大学人民医院薬剤科で薬剤師として働く李さんの家族3人は、「これらのメッセージは本当に思いやりにあふれている」とし、「新型コロナウイルス感染状況をうけ、私たちはローテーション勤務となっている。今日の午前はちょうど休みだったので、ちょっとぶらぶらしようとやって来た。私は花の鉢を1つもらった。花は『希望』のシンボル。この感染が必ず収束すると信じている」とした。北京日報が伝えた。

3月8日昼頃、北京は曇りで肌寒かったが、この特別に設けられたコーナーは温かい思いやりの心で包まれているようだった。藍色港湾が企画したこの無人の「善意のコーナー」活動は、企画内容が明らかになるや、その日のうちに20軒以上のテナントから寄贈の申し出が寄せられた。ピザ、ミルクティー、パン、コーラ、子熊のおもちゃなど、思いやりに満ちた品物が、感染拡大予防ボランティアや白衣の天使、宅配スタッフ、デリバリースタッフ、交通警察、都市管理担当者、清掃作業員、タクシー運転手らに対して無料で提供されている。

ちょうどショッピングモールに注文の料理を受け取りに来ていたデリバリースタッフの崔さんは、「善意のコーナー」に並べられていた出来立ての食事を目にし、1人前の食事とミルクティー1杯を手に取った。「本当にありがたい。ちょうど昼食をまだ食べてなかったから。心の中までほっこりした」とし、配達を済ませたら、どこか食べられる場所を探して早速昼食を食べるつもりだとした。

同じくデリバリースタッフの王さんは「善意のコーナー」の前でしばらくたたずんだあと、一番端にあったヨーグルトを手に取った。「家に子供がいるので、このヨーグルトを持って帰ろうと思う」と話す王さんは、午前中の配達の仕事に関し、「北京市内のどこでも注文さえあれば届けるだけ。環状線道路の三環路に二環路、それから東から西へと走り回すよ」と笑いながら話す。

受け取ったばかりの客からの注文の料理を手にしたデリバリースタッフの劉さんは、「この善意のコーナーに置いてある品物は無料で提供していますよ」と声をかけられると立ち止まった。しかし、「ありがとう。まずはこの注文の料理を届けなきゃいけないから、時間ができたらまた来る」と言って、その場を離れた。

防疫ボランティアの趙さん(女性)はショッピングセンターの入り口でボランティアの仕事中だった。花の鉢を一つ取り上げると、思わず笑みを浮かべ、「この贈り物は本当に素晴らしい。ウイルス感染拡大の中、皆心理的なストレスは免れない。美しい花は、そういう気持ちを和らげてくれるし、感染拡大を収束させていこうという気持ちにさせてくれる。こうした思いやりに心から感謝したい」とした。

また、「私も宅配員やデリバリースタッフにこうした思いやりを届けたいけど、どうしたらいいのかしら?」と、「善意のコーナー」を目にした青い服の女性は、コーナー付近にいた人に何か確認した後、サンドウィッチとヨーグルトをコーナーに置いた。

そしてこの女性が、「こういう思いやりを示すのは当たり前のこと。彼らは人々の便利な生活のためにとても大変な仕事をしているのだから」と話し終えたちょうどその時、1人の若いデリバリースタッフがこの「善意の贈り物」を手に取った。青い服の女性は思わず喜び、そのデリバリースタッフと記念写真を撮った。デリバリースタッフもまた女性に「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えた。

新型コロナウイルスの感染状況において、北京市には黙々と市民に奉仕する多くの人々がいる。彼らは死神と闘う医療従事者もいれば、持ち場を守り任務遂行に励むコミュニティスタッフ、都市の端から端まで走り回って市民に食事を届けるデリバリースタッフ、そして同じく街の隅々まで小包を届ける宅配員などだ。

「善意のコーナー」に込められた思いやりはこうした北京市を守ってくれる人々の心を温めているだけでなく、この都市の素晴らしさをまた一つ増やしている。(編集KM)

「人民網日本語版」2020年3月13日

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