女性をめぐる社会問題に注目!日本のドラマ「Mother」中国語版リメイク

人民網日本語版 2020年04月02日10:31

女優の周迅(ジョウ・シュン)や恵英紅(ワイ・インホン)、趙雅芝(アンジー・チウ)らが主演のネットドラマ「不完美的她(Imperfect Love)」の配信がこのほど、動画配信サイトで始まった。同作品は十年ほど前に日本で放送されたドラマ「Mother」のリメイク版で、コミュニティサイト・豆瓣では3万人あまりが評価を寄せ、レビューは9.4ポイントと高評価だった。しかし、「不完美的她」のレビューは今のところ7ポイント程度にとどまっている。北京日報が報じた。

日本ドラマをローカライズ

「不完美的她」では、小さい時から継母に育てられた周迅演じる林緒之が、自分を生んだ母親を探す過程で、同じく母親に見捨てられた女の子・蓮生に出会う。蓮生が家で虐待されていることを知った林緒之は、蓮生を連れ去り、新しい生活が送れるようにすることにする。

豆瓣でレビューが9.4ポイントの「Mother」は、韓国でもリメイクされ、そのレビューも8.6ポイントと高い。レビューだけを見ると、「不完美的她」も他の多くの中国ドラマと比べれば高いものの、原作と比べると幸先の良いスタートを切ったとは言い難い。

「不完美的她」の脚本はローカライズされている。例えば、原作では母親に捨てられた女の子の視点からストーリーが描かれているのに対して、「不完美的她」では林緒之の視点から描かれ、周迅の演技が作品全体の感情の流れを支配している。登場人物やそのプロフィールなども大きくアレンジされており、例えば、原作の変わったおじさんは、蓮生の母親の心理的に屈折している彼氏に変わり、林緒之の職業も教師ではなく、サーバーセキュリティエンジニアとなっている。

その他、「不完美的她」では、登場人物の感情の動きが理解できるようにと、林緒之の子供のころの状況が事細かく描かれている。そのため、林緒之が冷淡な性格になってしまった原因が細かく描写されており、母親に捨てられてトラウマを抱える彼女が蓮生と出会って宿命を感じる理由がよく分かるようになっている。

「母の愛」というテーマが、ストーリーを一層深みあるものにしており、血のつながりのない林緒之と蓮生の間の関係が、心の拠り所になる大人の女性がいることで「母の愛」を感じることができると教えてくれる。しかし、原作を見たことがある一部の視聴者は、物事の理由や結果があまりにもはっきりと描写されているため、サスペンス色がうすくなってしまっていると感じている。そのような「温かさが感じられる」アレンジでは、社会問題を指摘する原作の「悲劇性」も薄れてしまう。

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