湖南省長沙市南華大学附属長沙センター病院の看護師4人が5月6日夜、万家麗路にある火鍋店で食事をとり、食事代を支払おうとしたところ、すでに誰かが4人の食事代の勘定を済ませていたことが分かった。勘定書の裏には、「あなた方が大きな任務に取り組んでくれたお陰で、私たちは静かで落ち着いた日々を過ごすことができています。心から感謝します」とあり、名前の代わりに笑顔だけが描かれていた。北晩新視覚が伝えた。
会食していた看護師4人はいずれも、南華大学附属長沙センター病院に勤務する彭雲坤さんと孫岸中さん、王娟さん、胡暁娜さんで、彼らが所属するチーム一行13人は、2月21日から、湖南省第五陣湖北省武漢支援医療チームとして武漢金銀潭病院で支援業務に携わってきた。43日に及ぶ支援業務を終え、一行は4月7日に長沙に戻り、14日間の隔離観察措置を経て、それぞれの持ち場に戻って勤務を再開した。5月6日、郷里の美食を懐かしく思っていた4人は、退勤後火鍋店に行く約束を交わし、火鍋を楽しむことにした。
食事中、4人は、武漢金銀潭病院でのそれぞれの支援業務をめぐり、話に花を咲かせていた。4人のテーブルは大ホール内にあり、周囲のテーブルは満席だった。すぐ隣のテーブルにいた20歳過ぎの女性が、4人の会話を漏れ聴き、彼らが新型コロナウイルスと最前線で闘った看護師に違いないと判断した。そこで、カウンターに赴き、店員にひそひそ声で、「あの4人のテーブルの勘定は私に回してほしい」と申し出た。勘定を済ませたこの女性は、勘定書に一筆メモを残すと、静かに店を後にした。
今月10日、ついに4人の火鍋代を支払った女性が見つかった。朱倩さんという名のその女性はメディア関係の仕事に就いているのだという。朱さんは、「4人の勘定を支払おうと思ったのは、本心からとっさに出た行動に過ぎなかった」とし、思いがけなかったことに、翌日、代金の返金を申し出る火鍋店のオーナーからの電話を受けたが、やんわり断ったという。そして、「心のぬくもりや善意が、より多くの人々の心に届いてくれることを願っている」と話した。(編集KM)
「人民網日本語版」2020年5月11日