中国科学院青蔵高原研究所が17日に明らかにしたところによると、同研究所の科学調査者は独自に設計した氷床コア熱掘削システムと湖コア重力掘削システムを利用し、域外カラコルム山脈深層氷床コア及び湖コアの試料を初めて採取した。新たに得られた試料は第三極地域の気候・環境変動の歴史の再構築に用いられる。科技日報が伝えた。
今回の科学調査任務は同研究所の徐柏青研究員がチームを率いた。中国・パキスタン経済回廊北側に位置する科学調査地域は、地形が高く険しく、深い河谷のあるパミール高原とカラコルム山脈が交わる地域であり、西風と季節風が交わる地域でもある。
これまでの研究によると、同地域では90年代中期以降に大きな気候変動が生じた。最も際立った変化は、降水量の大幅な増加だ。第三極氷河の縮小が全体的に加速するなか、同地域の氷河は相対的に安定し、一部の氷河は前進さえした。この異常現象は、かねてから世界的に注目されてきた。
パキスタン宇宙高層大気研究委員会の協力を経て、調査隊員の十数人はカラコルム山脈ギルギット・バルティスタン州のBiafo氷河、Sheo Sar氷河、Saiful malook湖沼に向かい、108日間にわたる氷床コア・湖コア掘削活動を行った。調査隊はBiafo氷河の標高5600メートルの地点で、計110メートル以上の氷床コアを掘削した。標高5250−5600メートルのエリアにおける複数の傾斜の雪食カール断面試料を採取した。彼らは順調に2つの湖沼の水中地形測量と短い湖コアの掘削を行い、4本の湖コア試料を取得した。同地域の1000年スケールの気候・環境変動の細部にわたる研究に試料を提供した。
徐氏は「調査隊は将来的に、掘削した氷床コア・湖コアの試料の酸素同位体、黒炭、粒度、元素などのデータを測定し、南北方向越境大断面及び垂直傾斜調査体系を構築する。西風と季節風が交わる地域の気温・降水・積雪調査の空白を補い、同地域の最終氷期以降の気候・環境の変動を再構築する。中国・パキスタン経済回廊の建設の環境アセスメント、災害リスク対策、気候変動への対応、グリーンな発展などに重要な科学的根拠を提供する」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年5月18日
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