日本の産業チェーン移転は悪いことばかりではない (2)

人民網日本語版 2020年05月20日10:59

日本貿易振興機構(ジェトロ)上海事務所の小栗道明所長は、「企業の実際的な角度からみると、反グローバリズムはそれほど可能性の高いことではない。産業チェーンこそがカギで、このたびの感染症の打撃を通じて、チェーンがある程度地域化する可能性はある」と述べた。

実際、一部のメディアの分析によると、日本にとっても中国にとっても、産業チェーンの回帰は必ずしも悪いことではないという。

日本にとってみれば、製造業の回帰を奨励するにしても、製造業の海外移転に力を入れるにしても、産業チェーンを最適化し、産業チェーンをより整備して独立させ、さらに多様化させることが狙いだ。サプライチェーンを1つの国に集中するのは、卵を同じカゴに入れるようなもので、リスクが非常に大きい。

中国にとってみれば、汚染が高く、エネルギー消費が高い産業への規制が強化されたため、日本の化学工業原料産業は中国への依存度を徐々に引き下げている。ここ数年は、確かに一部の低付加価値の製造業が中国を離れ、より安価な労働力をもつ東南アジアなどの新興国に移るようになった。

ローテク産業が相次いで移転するということは、実は先端産業が進出する余地を作り出すということでもある。そのため、感染症が発生したかどうかに関わらず、企業の移転を奨励する政策があるかどうかに関わらず、こうした産業チェーンは駆逐されていく可能性がある。

陳氏は、「産業の高度化・モデルチェンジは本来は競争の過程だ。経済グローバル化はローテク製造業にふさわしい生存の空間を見つけられるようにし、1つの国の中ではなく、世界の中で居場所を選択できるようにした。中国は国土が広大で、産業の先端から末端まで、どこにでも生存できる空間があり、十分に産業展開を行える。一方で日本は違う。その戦略的奥行きがあまりなく、国土は狭く、人口は少なく、市場は小さい」と述べた。

英紙「フィナンシャル・タイムズ」の5月13日付の報道も日本の苦境を伝えた。日本の「産業チェーン改革」を含む措置について述べる中で日本の大手企業のトップの話を紹介して、「日本で長年行われてきた政策はどれも島国であることへの不安をめぐって打ち出されたものだ」と伝えた。(編集KS)

「人民網日本語版」2020年5月20日

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