生態学原理によると、ある動物の数が突然、爆発的に増えるのは、環境においてそれを制限していた要素に、大きな変化が生じたからで、普通は爆発的増加後、一定の期間内に通常の状態に戻る。
では、馬鞍底では、なぜ毎年のように、チョウが大量発生するのだろう?
馬鞍底郷は、北回帰線より南、北熱帯と南亜熱帯の過渡地域に位置するため、1年を通じて平均気温が約18度と暖かい。そして、標高105‐3012メートルと、落差が激しい典型的な「立体気候」。さらに、森林率が67%と、森林資源が豊富で、チョウ類が生息する生態環境が整っており、チョウが大量発生しやすくなっている。
馬鞍底郷。
ハニ棚田。
拉灯滝。
楊鎮文さんは、中華チョウ谷保護・管理の専門家で、毎年、森の中でモニタリングを実施している。卵や幼虫の状態、分布などを調査して、発生するチョウの数などを予測し、観光客向けに、見頃の時期などの情報を発信している。
チョウが舞う山の中にいる楊鎮文さん。
モニタリングによると、今年は前半の気温が低く、異常気象が頻発し、チョウが大量発生する時期も例年より20日ほど遅くなった。楊さんは、「今年初の大量発生は6月5日だった。およそ25日間続き、その数は例年をほぼ同じで1億匹以上になるだろう」と説明している。(編集KN)
スジグロカバマダラ
「人民網日本語版」2020年6月9日