「写意」は中国画の表現形式の一つであり、簡潔で練られた自由な筆致によって、対象の優美な姿や表情に重きを置いて描く。しかし今の時代、画仙紙に絵を描いているのはもしかしたらロボットかもしれない。香港地区の芸術家、黄宏達さんが「Gemini」という名の人工知能(AI)水墨画家を開発したからだ。環球網が伝えた。
黄さんはVFXアーティストで、テクノロジーを融合した映像デザインに長けているほか、絵画や物理、電気工学の分野でも非常に優れた才能をもつ。写意画を愛する黄さんは、写意画にテクノロジーを導入し、イノベーションによって中国伝統文化の継承と発展を図った。
黄さんは3年間を費やしてGeminiを開発。その開発の過程で、黄さんは山水風景関連のデータをプログラムにインプットした。それと同時に、Geminiはプレートの移動や地表の浸食など地形の変化に関する知識を学習することで、システム内に3Dの世界を創造できるようになった。この世界はパターン化されたものではなく、湿度や温度、天候といった要素の違いによって異なる結果を生じる。Geminiは世界から適した視点を探して創作を行うことができる。
注目すべきは、Geminiは創作過程において独自のスタイルがあり、タッチの使い分けや墨の濃淡に自分の考えを持っているということだ。(編集NA)
「人民網日本語版」2020年6月11日