中国科学院微生物研究所と安徽智飛竜科馬公司が共同開発した組換え新型コロナウイルスワクチンがこのほど、国家薬品監督管理局から承認を受け臨床試験に入った。これはアデノウイルスベクターワクチン、不活化ワクチンに続き新たに臨床試験に入った、新たなテクノロジー・ロードマップに基づき開発された新型コロナウイルスワクチンだ。Ⅰ期臨床試験では重点的に、ワクチンの体内の耐性と安全性を検証する。科技日報が伝えた。
組換えワクチンは、遺伝子工学の手段により細胞内で病原体抗原タンパク質を発現・純化してから作成する。中国科学院微生物研究所の高福氏のチームと厳景華氏のチームが開発したこの新型コロナウイルスワクチンの抗原は、フィジカルデザインに基づくSタンパク質受容体結合ドメイン (RBD) 2量体抗原だ。独特な構造を持ち、いかなる外部由来のタグも持たず、独自の知的財産権を持つ。hACE2遺伝子組換えマウスのウイルス攻撃試験により、ワクチンが顕著な保護効果を持つことが証明された。
アカゲザルのウイルス攻撃・保護試験の結果によると、ワクチンの免疫反応により高水準の中和抗体の生成を誘導できる。肺のウイルスの量を大幅に減らし、ウイルス感染による肺の損傷を軽減でき、明らかな保護効果を持つ。同ワクチンは改変細胞株により工業化生産が可能で、生産能力が高く低コストで高いアクセシビリティを持つ。
智飛竜科馬公司と中国科学院微生物研究所は今年1月29日、「協力意向枠組み協定」を結び、組換えサブユニット新型コロナウイルスワクチンを共同開発することになった。同プロジェクトはその後、国家緊急時対応特定重点研究開発計画「公共安全リスク対策及び緊急時対応技術装備」重点特定プロジェクトに組み入れられた。双方の科学研究者のたゆまぬ努力により、ワクチン抗原配列の設計、改変細胞株の構築、生産技術の開発などが完了した。智飛竜科馬は同時にワクチン生産ライン、品質保証耐性の構築などを展開し、ワクチンの早期発売の条件を整えている。
双方は今後、人による臨床試験を展開する。ワクチンの安全性と有効性をさらに検証する。Ⅰ期臨床試験は重慶医科大学附属第二病院と首都医科大学北京朝陽病院で展開される。(編集YF)
「人民網日本語版」2020年6月24日