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今、ネットショップを覗いてみると、種類が多く味も豊富なさまざまなおやつが満載で、思わず食べたくなってしまう。食品夥伴網業界研究センターがこのほど発表した分析によると、2013-2019年、中国おやつ業界の複合成長率は6.7%に達した。また、おやつ業界は今後も6%以上の複合成長率を保ち、2020年のおやつ販売額は3兆元(1元は約15.2円)に迫るとみられ、2025年には4兆元を突破する可能性もあるという。人民日報海外版が伝えた。
23歳の王子雯さん(女性)は上海のある大学の学生で、大のおやつ好きでもある。今年に入って以来、毎月おやつに平均1000元近く使っている。「新型コロナウイルス感染症の影響で、この半年間ずっと家でオンライン授業を受けていたし、外出の回数も少なかったので、以前よりさらにネットでおやつを買うようになった。ネットで買うとおやつの値段が安いし、家まで届けてくれる。一番重要なのは選択肢がすごく広いこと」と王さんは言う。
山東省青島市に住む劉欣さん(女性)は新しもの好き。種類が豊富な「ネットで人気の」おやつを買うようになって、自宅での勉強や生活に楽しみができたという。劉さんは、「何もする事がない時にはよくおやつのライブ配信を見ている。ライブ配信パーソナリティーに薦められて、流心蛋黄酥(かじると中の黄身あんがとろりと出てくるパイ菓子)、山芋チップス、牛乳茶(新鮮な牛乳を使ったミルクティー)など、面白い人気新商品を買った。味がいいだけでなく、値段もお得だった」と話す。
もともとおやつに興味がなかった消費者も、おやつ消費に対する態度が次第にオープンになってきている。彼らはおやつの食事代替機能や健康の属性により注目している。
「ふだんはほとんどおやつを食べないので、おやつについてもあまりよく知らない。残業した時に時々インスタント麺やクラッカー、小さいパンなどを買って小腹を満たす程度」と話すのは、河北省の張揚さん(男性)。典型的なオフィスワーカーだ。張さんは今年に入ってから在宅勤務が多くなり、周囲の同僚たちの多くも外食やフードデリバリーをしなくなり、ちぎりパンや発熱剤付きで温められる鍋料理、発熱剤付ご飯といったすぐに食べられる食品を家で食べるようになったという。「実際、おやつの種類が多くなり、品質が良くなるにつれて、安くて質のいい食品をネットで買いたいという人が増えてきた」と張さんは言う。
蘇寧小売技術研究院の王俊傑院長は、「小売業界にとって、感染症によるビジネスの変化は試練であるとともにチャンス」と分析する。例えば、巣ごもり期間中は外出や買い物が妨げられ、1人暮らし、特に若いオフィスワーカーにとっては、すぐに食べられるインスタント食品はより作りやすく、食べたい時にすぐ食べられるとして人気があり、蘇寧でもインスタント食品やすぐに食べられる食品の売上が大幅に増加した。また、今年に入って以来、消費者のシェア意欲がこれまでになく高まり、パーソナリティーによる販促やソーシャルプラットフォームのネットユーザーのレコメンドなどを通じて多くの人気おやつが生まれ、蘇寧超市ではタニシ麺が供給不足となった。「技術が消費を駆動する趨勢の下で、企業は絶えずサービスモデルを最適化し、デジタル化を加速して、新たな市場ニーズに応える必要がある」と王院長は指摘する。
中国人民大学重陽金融研究院客員研究員の万■氏(■は吉へんに吉)は、「おやつ消費の成長は中国経済の極めて大きな内需の活力を体現している。需要側からみると、おやつは伝統的な意味での『非硬直的需要品』から『硬直的需要品』へと転換しつつあり、どんどん新しいおやつが出てくることに対する人々のニーズが高まり、その要求はますます高くなっている。これは消費能力の旺盛さの表れだ。供給側からすると、おやつ業界が勢いよく発展することで産業自身も高度化し、さまざまなおやつ商品の細分化も進んでいる。世界各地から集まる特色あるスナックや食品が、より先進的なパッケージ技術と物流ルートを通じて多くの家庭へと届けられるようになった。これらはいずれもおやつ消費市場の持続的な拡大を支えている。(編集AK)
「人民網日本語版」2020年8月6日