いつの頃からかわからないが、巷では「コーヒーを飲むと体脂肪が落ちる」という説が広まっている。そして、多くの女性が朝起きると、「これを飲むとスリムになり、もっと美しくなれる」と考えながら、まずブラックコーヒーを飲んでいる。また、運動の効果を高めようと、運動の前にコーヒーを飲む男性もいる。では、「コーヒーを飲むと体脂肪が落ちる」という説には科学的根拠があるのだろうか? ■南大学附属第一病院(■は既の下に旦)の副主任医師・陸華氏を取材した。広州日報が報じた。
コーヒーを飲むとカロリーの燃焼が加速
陸氏によると、カフェインは脂肪燃焼効果がある物質だ。コーヒーを飲むと、神経系統を直接刺激して、シグナルが脂肪の細胞に送られる。そして、アドレナリンで脂肪が分解される。そのため、コーヒーを飲むと、確かに体脂肪がある程度落ちる效果を期待することができる。
代謝率が3~11%上昇
ダイエットのために体脂肪を落としたい人は、基礎代謝率が体重が減るかのカギとなる。陸氏によると、代謝率が高いほど、体重が落ちやすい。
研究では、カフェインを摂取すると基礎代謝率が3~11%上がり、摂取するカフェイン量が多いほど、その效果も上がることが分かっている。また、代謝が良くなることのメリットのほとんどが脂肪の燃焼と関係がある。通常、1日にカフェインを300ミリグラム摂取すると、79キロカロリー余分に消費されることになる。
ただ、残念ながら、そのような作用は、肥満の人の場合小さくなってしまう。関連した研究によると、脂肪燃焼效果は、スリムな人の場合、29%上がるのに対して、肥満の人の場合わずか10%にとどまっている。また、若者のほうが、コーヒーを飲むと代謝率が上がり、脂肪が燃焼しやすく、年齢が上がるにつれてその効果が小さくなっていく。
コーヒーをいつも飲んでいると耐性ができる
陸氏によると、カフェインの良い効果はずっと続くわけではない。カフェインに対する耐性ができてしまう人もいるのだ。端的に言えば、以前はコーヒーを1杯飲むと目が覚めていたのに、今は2‐3杯飲まないと以前と同じ効果が得られなくなってしまうことと同じだ。
短期的に見ると、カフェインは代謝率を高め、燃焼する脂肪が増えるものの、その效果は長くは続かない。そのため、「コーヒーを飲むと体脂肪が落ちる」というのは、長期的な效果は期待できない。もし、脂肪燃焼のためだけにコーヒーを飲み、耐性も付けたくないというのであれば、2週間飲んで、2週間飲むのを止めるという方法を試すと良いかもしれない。(編集KN)
「人民網日本語版」2020年8月4日