中国、オンライン教育急発展に伴い新職業「カリキュラムアドバイザー」が登場

人民網日本語版 2020年08月25日09:48

新型コロナウイルスの影響を受け、今年はオンライン教育・レッスンが大人気となっている。子供がいる人なら、子供の世話が本当に大変であるほかにも、オンライン教育機関がたくさんありすぎて選ぶ時間もないと感じていることだろう。そこで、中国で最近登場したのが「カリキュラムアドバイザー」という新しい職業だ。「カリキュラムアドバイザー」というのは、その名前の通り、保護者やその子供の代わりに、数多くのオンラインカリキュラムの中から、子供の個性や能力に最も合ったカリキュラムを選んで推薦する「参謀」的存在だ。中央テレビニュースが報じた。

今「カリキュラムアドバイザー」を仕事にしている90後(1990年代生まれ)の徐艾■さん(■はくさかんむりに亭)は取材に対して、「『カリキュラムアドバイザー』というのは聞き慣れないかもしれないが、端的に言えば、子供のオンラインカリキュラムを選ぶ保護者の『参謀』。実際には一種のスクリーニングの仕組みだ。まず、保護者が基本的な状況を『カリキュラムアドバイザー』に伝える。その後、『カリキュラムアドバイザー』が業界経験に基づいて教育機関を1‐3つ選ぶ。そして、無料体験レッスンを受けてもらい、子供の反応や教師の教え方、能力を見て、最終的に子供にそのカリキュラムが合っているかを判断する」と説明した。

「カリキュラムアドバイザー」という新たな職業が登場した背景にあるのは、オンライン教育の発展加速だ。参入、開拓、顧客獲得など、新たな競争が展開されている。データによると、オンライン教育業界の競争は激化する一方で、今年1—7月に登録したオンライン教育企業は2万5000社に達した。1日平均120社のペースで増えている計算だ。需要と供給のどちらも急増する中で、「カリキュラムアドバイザー」という職業が人気となっている。

ラーニングコンテンツの淘宝教育によると、カリキュラム選択関連の検索は3月から爆発的に増加し始め、同月は前月比で300%増となった。その後も、その勢いはずっと継続している。実際、夏休みの時期に入って以降、オンライン教育がローラー作戦的な営業を行っており、多くの保護者がどれを選んだらいいのか分からない状況に陥っている。保護者らのニーズが細分化し、子供に合ったカリキュラムを選びたいと考えているのを背景にして、「カリキュラムアドバイザー」という新職業が登場したのだ。

淘宝教育によると、全体的に見ると、「カリキュラムアドバイザー」は今のところまだ従事する人の少ない職業だ。大まかな統計によると、「カリキュラムアドバイザー」は数千人規模にすぎない。だが、今年に入って明らかに増加している。

では、「カリキュラムアドバイザー」には本当に需要があるのだろうか?

湖北省武漢市の鄭さん(男性)は取材に対して、「今は子供向けのカリキュラムがたくさんある。自分で把握して理解しているカリキュラムは1つか2つだけで、他のカリキュラムについてはいいのか悪いのかをどのようにして見分けたらいいか分からない」と話す。これに対し徐さんは、「『カリキュラムアドバイザー』の仕事の一つは、子供の特徴に合わせたカスタムメイドのカリキュラムを組んで、保護者の時間を節約することだ」と説明する。

もちろん、「カリキュラムアドバイザー」という新職業に慎重な姿勢を示す保護者もいる。例えば、河北省石家荘市の趙さん(男性)は取材に対して、「淘宝で『カリキュラムアドバイザー』を見たことがある。でも、どこかの機関や教育プラットフォームと繋がっているのではという気もする。やはり自分で選ぶほうが安心だ」と話す。

ある機関は、今年のオンライン教育の市場規模は4800億元以上(1元は約15.3円)に達すると試算している。そのため、オンライン教育に関連する新職業が増えていくと見られている。

中国教育科学研究院の研究員・儲昭暉氏は、「長い目で見ると、オンライン教育機関はオンライン教育のユーザー自身が使用能力や識別力を高めることで、その淘汰が進むだろう。私は、それは一番良いメカニズムで、オンライン教育そのものにとっても、良好なビジネスエコシステムが出来上がるうえで助けになると考えている」と話す。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年8月25日

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