中国においてトランスナショナル教育は留学の「代替品」になるか?

人民網日本語版 2020年07月21日10:51

新型コロナウイルス感染拡大などの影響で、海外に留学する予定だった学生らの間で、中国国内にいながら「留学」できる「中外合作弁学(中国と外国教育機関によるトランスナショナル教育)」に注目が集まっている。中外合作弁学は、一部の人の期待通り、留学の「代替品」になり得るのだろうか?中国青年報が報じた。

中外合作弁学とは、中国の教育機関と、外国の教育機関が、法律に基づいて、中国国内で提携し、中国人学生を主な入学募集対象とした教育活動を指す。学校経営のスタイルとしては、「中外合作弁学機関」と「中外合作弁学プロジェクト(学科)」の2種類がある。

中外合作弁学が留学の「代替品」になるかを論じるためには、まず、「教育のクオリティ」という重要な要素を考えなければならない。

報告によると、1995年に「中外合作弁学暫定規定」が発表されて以来、中外合作弁学機関またはプロジェクトは、急速な増加を実現している。2019年末の時点で、中国全土の大学600校余りが、中外合作弁学機関・プロジェクトを実施している。「双一流(世界一流大学・一流学科)」建設大学137校の中外合作弁学機関またはプロジェクトの実施率は86%以上に達し、そのうち、提携する外国側の高等教育機関の約20%がQS世界大学ランキングトップ200にランクインしている。

中国教育在線がこのほど発表した学部レベルにおける中外合作弁学をめぐる統計報告によると、近年、中外合作弁学の発展は「クオリティの向上の段階」に突入している。また、中外合作弁学プロジェクトの就職データは目に見えて向上しており、就職率と就職の質が右肩上がりとなっている。特に、出国して進学する面で優位性を誇り、卒業生の多くが国外の一流の大学に進学している。北京のある「双一流」建設大学の中外合作弁学機関の2019年度卒業生の状況を例にすると、提携先の高等教育機関の修士課程に進学する学生の割合が56.6%に達し、他の国の高等教育機関に進学する学生の割合も34%に達している。

また、保護者と学生が海外留学と比較する際には、中外合作弁学の学費も重要な要素となっている。

報告によると、中外合作弁学プロジェクトは中国国内の普通の大学の学科の学費より数倍高い。中外合作弁学プロジェクトの学費は、機関所在地や提携相手の高等教育機関、学科などによって、大きく異なる。

具体的に見ると、中外合作弁学プロジェクトの学費は、年間1万5000-10万元(1元は約15.33円)で、ほとんどが2-4万元となっている。報告は中外合作弁学の学費が高い理由について、通常、学費が安い合作弁学プロジェクトのほとんどは国外の教材を採用し、国内の教師をメインに授業を行っているのに対して、学費が高い中外合作弁学プロジェクトは、外国人教師の割合が高く、国際教育により近くなっていると説明している。

中外合作弁学プロジェクトまたは機関の学費は高いほか、入学合否のボーダーラインを見ると、ほとんどの中外合作弁学プロジェクトが、非中外合作弁学プロジェクトより低くなっている。ただ、その差は少しずつ縮まってきている。

報告は、「中外合作弁学プロジェクト及び機関(非独立法人)が受け入れる学生のレベルが高くなってきていることは、受験生や保護者が中外合作弁学のクオリティを認めるようになってきていることを示している」と分析している。(編集KN)

「人民網日本語版」2020年7月21日

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