結婚相手の紹介、アルゴリズムと友人のどちらが頼りになるか

人民網日本語版 2021年02月02日15:19

AI(人工知能)のアルゴリズムが人々の生活の隅々に浸透しつつある。衣食住のみならず、恋愛やお見合いの問題についても、アルゴリズム導入による解決が模索されるようになった。科技日報が伝えた。

データによると、オンラインマッチング産業の時価総額は現在、40億ドル(1ドルは約105円)に迫っており、今後さらに多くの資本が参入するだろう。これらのソーシャルアプリはAIのアルゴリズムを利用し、ユーザーの誕生日、性格、趣味などを分析しマッチングを行う。さらに自然言語処理アルゴリズムを通じユーザーと会話の交流を行うとともに、ユーザーの情報に基づき「デートのアドバイス」をすることができ、さらには事後のアンケートによりマッチングを調整することもできる。

■データとアルゴリズムによるマッチングアプリの仲人は信用できるか

騰訊(テンセント)研究院が開催した「テンセントテクノロジー善心並びにデジタル未来大会2021」において、テンセント研究院の李剛副院長は「結婚相手のマッチングでは、アルゴリズムの推薦と友人の紹介は実質的に2つの異なるルートだ。この2つのルートを比較する際には、サンプル数、持続可能性、偏見の有無などの基準に注目すべきだ。またルートがフィードバックにより絶えず学習・進歩し、マッチングの信頼性を高められるかどうかに注意が必要だ」と指摘した。

李氏は「アルゴリズムの推薦と友人の紹介という2つのルートは相互排斥しない。長期的に見ると、人々とインターネットの結びつきが深まるほど、アルゴリズムの推薦がより多くの優位性を持つようになる」と判断した。

この観点は中国人民大学新聞学院の講師である董晨宇氏から反論された。董氏は、「アルゴリズムは想像されるほど信頼性が高くないかもしれない。アルゴリズムは私たちが与えたことに基づくが、友人は私たちが自然に表したものを受ける。この論理に基づくと、アルゴリズムに提供されるデータは手付かずのものではなく、私たちがアルゴリズムに知らせたいデータだ。そのためマッチングアプリで提供されるデータは、美化された理想的な自分の可能性がある。これは恋愛する双方が本当の人間でなく、2人の理想化されたバーチャルの自分という結果になる」と述べた。

中国社会科学院新聞・伝播研究所の孫萍補助研究員は、「アルゴリズムには、そのコミュニケーション環境が現代の若者により適しているという優位性がある。人と人の交流では気兼ねすることがあるが、人と機械の対話は完全にバリアフリーだ。若者はソーシャルアプリで最もリラックスした状態になれるかもしれない。アルゴリズムの柔軟性、成長性、独創性を見る必要がある」と話した。

米果文化伝播有限公司の胡漸彪CEOは「アルゴリズムを利用し人の感情に干渉することについて、現段階では実用的な意義よりも啓発的な意義の方がはるかに大きい。アルゴリズムが人間の恋愛と結婚の問題の解消を支援できるかについては、技術の発展が最終的に答えを導き出す。10年後に考えるべきは、この問題の第2章になるだろう」との見方を示した。(編集YF)

「人民網日本語版」2021年2月2日

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