新疆維吾爾(ウイグル)自治区和田(ホータン)市の団城は、同自治区南部の典型的な旧市街地。中心部から外へと広がっていくような地理的構造で、その周りを囲むように路地が走っていることから「団城」と呼ばれるようになった。「阿依旺」と呼ばれる伝統的な住居や美しい彫刻が施されたドアや窓、手作りの民族工芸品ショップなどが人々を惹きつけ、現在、多くの観光客がこの地を訪れている。そんな団城だが、実はひと昔前までは古ぼけた住宅街で、住民のほとんどがハトを売って生計を立てていた。
2016年、ホータン市政府は、団城の再開発を実施。住居の安全面でのリスクを取り除きつつ、その歴史的風貌はそのままに留めた開発を行った。そうすることで、歴史ある街に新たな活力が注がれ、人気の観光スポットとなり、民宿や特産品ショップがたくさん集まるようになった。メインロードでアイデェライスシルク店を経営しているトゥナハン・アブドゥゲニさんは、「先祖代々団城で暮らしてきた。2016年に、住宅も改装された。うちは以前、他の場所で裁縫の店をしていたが、団城が再開発されてからは、アイデェライスシルク店を経営している。今はここで商売をしながら、子供の世話ができる」と話し、自宅に招いてくれた。そして、「これらの建物は、私たちの民族ならではのスタイルで、1階が店舗で、2、3階が住居となっている。ここで私は母親や兄弟姉妹、子供の合わせて13人で暮らしている」と話す。
再開発が実施されたものの、団城の近代的な活力は、元からある建物などの外観を全く損なっていない。新疆ウイグル自治区南西部にあるホータンを訪れる機会があれば、必ず団城に行ってみよう。そこで、独特なウイグル族の文化を肌で感じることできるに違いない。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年6月24日