人民銀行が預金準備率引き下げ 17兆円はどこへ? (2)

人民網日本語版 2021年07月13日11:37

賀氏は、「もしも資金が中小・零細企業に流れれば、原材料価格の上昇がもたらしたコスト圧力を緩和できる。しかし原材料市場に流れれば、原料価格をさらに上昇させる可能性がある。引き下げ後の資金の流入先に特に注意する必要がある。投機や物価を操るような行為を防止する」と注意を促した。

郭氏は、「資金の流入先の一部は市場が決定するので、100%予測通りになると保証することはできない。しかし監督管理機関はこれまでに銀行の貸し出しなどの金融サービスに対して規定と監督規制を明確にし、実体経済への資金の流入を最大限保証するとしている」と述べた。

「インフレ」リスクをもたらすか?

このたびの預金準備率引き下げによって大量の資金が供給されると、インフレのリスクはないのだろうか。

郭氏は、「理論的に言えばインフレリスクはあるが、現実の中で全面的なインフレになることは難しいだろう。理論的には、さまざまな原因によって、最近の中国は通貨の増加ペースが速く、インフレを発生させる圧力が存在している。しかし中国の供給側は発達しており、ある程度の生産能力の過剰状態が生じやすく、供給が需要を上回ると、インフレ発生に対してある種の制約になっている。しかし需給のアンバランスはやはり改善しなければならず、市場の通貨量を増やすなどの方法をとって経営の困難な生産・製造企業にベイルアウト(金融財政支援)を行わなければならない。人民銀行の今回の準備率引き下げは、実体経済を支援するための『小手調べ』であり、インフレ問題は起こらないはずだ」との見方を示した。

賀氏は、「データを見ると、中国の物価水準は安定し、預金準備率を引き下げても潜在的なインフレリスクをもたらすことはないだろう。下半期の金融政策については、今年は金融マクロ調整政策が持続性、安定性を保ち、急カーブを切ることはなく、下半期も金融政策はそれほど大きく変化することはないだろう。『小麦粉が多ければ水を加え、水が多ければ小麦粉を加える』ような微調整が行われるだけだろう」と述べた。

人民銀行の関係当局責任者は、「金融政策の安定という方向性は変わっていない。現在、中国経済は安定さの中で好転し、人民銀行は金融政策の安定性と有効性を堅持し、正常な金融政策を堅持し、ばらまき政策は行わない」と述べた。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年7月13日

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