砂漠で30年植樹を続けてきた「七一勲章」受章者・石光銀さん

人民網日本語版 2021年07月12日11:12

毛烏素(ムウス)砂漠は、中国陝西省楡林市と内蒙古(内モンゴル)自治区鄂爾多斯(オルドス)市の間にあり、楡林市の面積の56.1%を占めている。同市は長年、深刻な砂嵐ややせた土地に悩まされてきた。1950年代からこれまで70年間、同市の人々は砂漠化を防ぐために造林に取り組んできた。そして、今では、砂漠化した土地の緑化率は93.24%に達している。そして、もろい地盤約57万3300ヘクタール全てが固定、または半固定され、広大な砂漠はほとんど見られなくなっている。こうした変化の背後には、中国共産党における最高栄誉である「七一勲章」の受賞者である石光銀さんの貢献がある。

防護林として植えられたヨーロッパアカマツをチェックする石光銀さん(資料写真)。

楡林市定辺県で1952年に生まれた石さんはごく普通の農民だ。1984年初めに、個人が砂漠化防止事業を請け負うよう奨励する政策を、国が打ち出して以降、石さんは郷政府と、約200ヘクタールの砂漠化防止事業を請け負う契約を結び、楡林市で同事業を請け負った初めての個人となった。

それから30年以上、石さんは、陝西省北部の男性らを率いて、約1.6万ヘクタールの砂漠、アルカリ性の砂地に5300万本以上の高木・低木を植樹し、ムウス砂漠の南側に約50キロの長さの「グリーンの長城」を作り出し、砂漠化して人が住めなくなるという過酷な環境を徹底的に改善し、目に見えた社会的効果と生態的効果、経済効果を生み出した。石さんは、困難な人々への支援も忘れず、現地の庶民に益をもたらし、120万元(1元は約16.95円)の資金を自己調達し、学校2校、生態移民村1ヶ所を建設し、困難な世帯300世帯以上を支援してきた。

楡林市のムウス砂漠沿線の農村の道の両脇に植えられた木々(2020年 5月26日、撮影・陶明)。

石さんはこれまでに、「全国労働模範」、国際連合食糧農業機関(FAO)の篤農家賞「outstanding farmer」、「全国治砂英雄」などを受賞し、地元の人々からは、親しみを込めて「砂漠のおじさん」と呼ばれている。

2004年末、石さんが請け負った約1.6万ヘクタールの砂漠、アルカリ性の砂地は、効果的に緑化が実施され、木々や植物のカバー率は90%以上に達し、ムウス砂漠の南側に約50キロの長さの「グリーンの長城」ができている。

ムウス砂漠の緑化や楡林城の変化を見守ってきた楡林市の北郊外にある鎮北台(5月24日、ドローンによる撮影・陶明)。

砂漠化防止事業を腰を据えて長年行うために、石さんが立ち上げた治沙集団有限公司は「砂漠を緑化して開発・利用する」という発展戦略を掲げ、「企業+農家+基地」の道を歩み、砂漠化防止策とビジネスを結び合わせ、新興林牧場や乳牛1000頭を飼育する飼育場、浄水場、月牙湖景勝地といった経済実体10項目以上を手掛けてきた。同社は現在、生態補助金や生態環境をめぐるビジネスによる利益が年間340万元以上に達している。(編集KN)

「人民網日本語版」2021年7月12日

最新ニュース

注目フォトニュース

コメント

| おすすめ写真

ランキング