「損失に直面」の東京五輪 中国のスポンサーはどうするか? (2)

人民網日本語版 2021年07月13日17:08

凱撒は現在、公式サイトでチケット払い戻し手続きの案内をしている。4月1-9日に払い戻しを申請した人は、7月初旬に払い戻しが行われる予定だ。5月1-9日に申請した人は、五輪閉会後に払い戻しが行われる。具体的な払い戻し日時は東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が定めた払戻日を基準にするという。

指摘しておかなければならないのは、凱撒は2019年決算で、全額出資孫会社の北京凱撒国際旅行社有限責任公司が東京五輪の独占チケット業務代理権を取得し、巨額のホテル前払い金を支払ったと明らかにしていたことだ。東京五輪が延期になったため、こうした前払い金などの支出はサプライヤーと話し合ってどう処理するかを決めなければならない。

東京五輪のチケット業務代理の営業収益がなくなり、海外旅行業務も全面的にストップして、凱撒の業績は一言では言い表せないほど厳しい状況だ。感染症が爆発的に広がる前の19年、凱撒の通年の営業収益は60億3600万元(1元は約17.1円)、純利益は1億2600万元だった。それに対し、20年の営業収益は前年比7割以上減の16億1500万元になり、純損失が6億9800万元に達した。今年第1四半期(1-3月)も業績は低迷を続け、営業収益は前年同期比67.91%減の2億4千万元、純損失は約9409万元だった。

少し前には、凱撒は62億の株式交換により衆合旅遊を吸収合併(M&A)することを検討していることを発表した。これは、A株市場の海外旅行トップ銘柄が協力し合って困難を乗り切ろうとしていることを意味する。

快手の放送は「待ち」の状態

会場で東京五輪を観戦できなくなったため、放送権が自然と注目を集めることになった。6月23日、ショート動画配信プラットフォームの快手は中央広播電視総台との間で、東京五輪及び22年の北京冬季五輪におけるショート動画放送戦略協力について合意した。これは、快手が東京五輪の放送権を正式に取得したことを意味する。

快手科学技術部門の厳強上級副総裁は、「快手はこれからプラットフォーム上で五輪専用チャンネルを開設し、五輪の一瞬一瞬を全面的に伝え、競技のビデオ・オン・デマンドは600本以上になる見込みだ。今回の五輪開催期間中、快手はコア資源を利用して五輪の魅力的なコンテンツを広く届ける。予測では、カバーする人口は5億人以上になり、延べ数では600億人を超える見通しだ」と説明した。

快手の関係責任者は、「マーケティングプランをどのように設計するかは、実際には東京の動きを見て、情報が出るのを待たなければならない。東京五輪を前にした関連イベントが熱を帯び始めたばかりだ。具体的な楽しみ方は来週か再来週に発表することになる」と述べた。

実際、東京五輪が計画通りに開催されるかどうかに関わらず、今大会はすでに感染症による深刻な打撃を受けており、開催都市、スポンサー、放送事業者、協力パートナーがみな巨額の損失に直面することになる。日本の第一生命経済研究所の予測では、五輪延期による経済損失は3兆2千億元を超えるという。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年7月13日

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