Z世代(1995年代後半から2009年頃生まれの世代)は新消費の主力層として、「トレンド力」を新たに生み出し、今まさに「トレンド玩具グループ」、「国潮(中国伝統の要素を取り入れたおしゃれな国産品のトレンド)グループ」、「トレンド靴グループ」などさまざまなグループの中で活発に動いている。Mob研究院がこのほど発表した「2021年Z世代『トレンド力』インサイト報告」によると、トレンド力を担うZ世代の4割以上がフィギュアを購入するために毎年1千元(1元は16.9円)以上使い、さらに5割以上が毎年トレンドの靴を3-4回購入して手切り族(ネット通販で過剰な衝動買いをしてしまう人々)になっているという。
フィギュアは主にコレクションのため ブラインドボックスで限定品を引き当てた時の喜びは格別
トレンド玩具は、現在フィギュア、ブラインドボックス、BJD(ボールジョイントドール)をひっくるめてトレンド玩具と呼ぶ。
フィギュアは通常2種類に分かれ、1つはコレクションのための模型、もう1つは日本の漫画・アニメから派生したグッズだ。そしてフィギュアの多くはアニメ、漫画、映画、ゲームをモチーフとしている。
ブラインドボックスは何が出るかわからない箱入り玩具で、漫画・アニメ・映画の関連グッズが入っていたり、デザイナーが独自にデザインした玩具や人形が入っていたりする。箱には表示がなく、開けるまで何が入っているかわからない。このように偶然に左右されるところから、ダブったものを人と交換する社交活動が生まれた。
BJDは関節が球体になった人形で、着替えができるだけでなく、化粧を直したり、手足や髪の毛や目玉まで交換できる。豊富な選択肢があり、こうした交換のプロセスは「子育て」と呼ばれている。
Z世代フィギュアの消費者の4割以上が在学中の学生で、ブラインドボックスの消費者のうち女性は男性の2倍近く、BJDの消費者の多くは一線都市、新一線都市、二線都市に分布している。
Z世代のフィギュア消費者のうち、4割以上は毎年平均1千元以上をフィギュアに使う。消費の主な動機はコレクションで、デザインが自分の審美眼に合うかどうかが非常に重要だという。
ブライドボックスの消費者の5割以上は毎年7回以上購入するといい、主な動機は「ワクワクしたい」で、レアものが出たときは喜びも2倍になるという。
BJDの消費者のうち2割以上は「人形とおでかけ」に年平均3千元以上使い、3割以上は「子育て」のために年平均1千元以上使うという。
漢服が国潮の新トレンドに 重慶火鍋など「中国の味」も負けていない
国潮はトレンドを通じて中国のスタイルと中国のブランドを結びつけている。そのうち国潮の服飾品、国潮の味、中国風ゲーム、国産化粧品などの話題がZ世代に強い関心を呼び起こしている。
国潮の服飾品は国産ブランドだけでなく、中国ムードでいっぱいの伝統衣装の漢服も大流行中だ。Z世代は漢服を身にまとって杭州、西安、蘇州などの都市を訪れ、写真を撮り、同好の士と交流し、これがZ世代の主な漢服着用シーンになっている。
国潮の味の中では、重慶の火鍋、北京ダック、武漢の熱乾麺、北京のジャージャー麺、雲南の過橋米線などが次々に人気ランキングに登場した。今年人気の出た広西壮(チワン)族自治区のタニシ麺は「味わい深い」メニューとしてランキングの7位に入った。
また国産化粧品のうち、国産ブランドだけでなく、デザインに含まれる中国要素もZ世代の関心を呼ぶ重要な原因になる。たとえばあるブランドは中国国家地理網と協力して「粉黛高原」、「赤銅丹霞」、「幻彩梯田」と名付けたアイシャドーバレットを打ち出し、注目を集めた。
女性が「トレンド靴」に次々はまる 国産品の力は軽視できない
トレンドの靴をめぐるグループでは、5割以上の人が毎年3-4回購入して手切り族になり、中でも女性の割合が上昇し続けていることが新たな特徴だ。以前はスニーカーは男性の専売特許だったが、さまざまなコーディネートがなされるようになると、トレンドの靴も徐々に個性を外側に示すシンボルになっていき、トレンド靴アプリでは男性の割合が引き続き高いものの、女性も今年は前年比4%上昇して40%を超えた。
注目されるのは、同報告書の「トレンド靴」のブランドランキングでは引き続き海外ブランドが多かったが、国潮の力の広がりも軽視できないことだ。SNSではコーディネートをバッチリ決めたブロガーがスニーカーをさらっと着こなし、ファンたちは声援を送り国産品を支持すると同時に、国産トレンド靴に早く海外の人気商品の影響から抜け出し、もっと中国らしいデザインを打ち出してほしいと切望している。(編集KS)
「人民網日本語版」2021年8月5日