「スマホ沼」にはまる若者を救え 背後に隠される新職業・新市場 (2)

人民網日本語版 2021年08月12日14:56

悩みの背後に新職業・新市場

スマホから離れて、時間を勉強に充てるのが、今の向上心ある若者の新たなニーズで、このことが大きな市場も生み出している。人によるサービスからアプリまで、さらには外部のデバイスまで、業者がそれぞれの強みを発揮する。

スマホ時間設定ボックス「keepinbox」を設計・生産する「90後(1990年代生まれ)」の青年起業家の堵舜さんは、かつて大学院入試前にスマホの「深刻な依存状態」になった。「電話した後でショート動画を見ていると、1-2時間があっという間に過ぎてしまう。そこでこういう商品を打ち出して、同じように『スマホの沼にはまっている』人が自分を律するのをサポートしようと思った」とこれまでの経緯を語った。

堵さんはさらに、「自分が考える商品は、ただ単にスマホをロックするだけではだめだった。それだと生活や仕事に支障があるからだ。うちの商品は5分から12時間までの間で自由に時間を設定できる。電話を受ける窓口、充電の差し込み口、自習室の静音モデルが備わり、緊急プログラムもあって2回まで緊急解除ができるようになっている。このプロジェクトが動き出した当初、訪問や調査研究を通してニーズのあることはわかったが、経験がないのと新型コロナウイルス感染症が発生したため、第一世代の商品をオンラインで売り出せたのは昨年5月になってからのことだった」と振り返った。

堵さんは、「発売から5ヶ月で第1期生産分の5千個が完売した。これまでに5万個近くを販売した」と述べた。

監督師の店を経営する「95後(1995年から1999年生まれ)」の余本欽さんは、温州大学に入学してすぐに淘宝(タオバオ)に登録した監督師の店舗が、今では2つの支店を擁し、1300人を超える監督師を抱えるまでに成長するとはこれまで想像だにしなかったという。「大学に入ってすぐにゲームに夢中になった。自分を律して勉強に戻すために、監督してくれる人を探した。その後、時間を取り戻して自分を律する必要のあるより多くの人をサポートしようと考えたが、経営の経験がないので、店舗は登録後ずっと管理する人がいない開店休業状態だった。当時、同じような店がすでに4-5店はあった」

2018年4月になり、余さんは監督師のサービスをプラットフォームで検索する人がたくさんいることに偶然気づいた。そこで自分で店舗を運営することにした。18年の一ヶ月の売り上げは80-100件で、19年から増加し始めたが、サービスの質を保証するため、月200件前後にセーブした。20年はニーズがさらに高まったが、月400-500件前後にセーブした。「現在は淘宝プラットフォームに店舗を開設しただけでなく、一部の教育機関と協力し、(ショート動画供給アプリの)『TikTok(ティックトック)』や(ショッピング・交流プラットフォームの)『小紅書』などのプラットフォームでもサービスを打ち出しており、受注件数はますます増えている」という。

余さんの店舗の注文を見ると、親が子どものために注文するケースもあれば、大学の各種資格試験の準備をする学生や留学生が自分のために注文するケースもある。またサラリーマンが一定期間内の仕事の進捗管理をするために注文するケース、さらにはダイエットや早寝早起きのために注文するというケースもある。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年8月12日

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