博物館コラボにブラインドボックス…2021年の多彩な月餅 (2)

人民網日本語版 2021年09月22日16:58

病院も博物館も月餅 業者とのコラボやブラインドボックスタイプも

「一夜明けたら、上海中の人が宛平南路600号に月餅を買いに来たようだった」。上海市徐匯区の宛平南路600号とは上海市精神衛生センターの所在地だ。今年の中秋節に同センターが打ち出した月餅が「ネットの人気商品」になった。

同センターは上海精神病院などと呼ばれ、話題性があり注目も集める存在で、この月餅には「自虐的な気持ち」が込められていた。皮には「上海精神衛生センター」と「SMHC 1935」の文字が入り、ミルクチーズ味、青リンゴ青梅味、モカチョコレート味など多くの味をそろえた。メディアの伝えたところでは、同センターの月餅は本来は外部には販売せず、定価78元で関係者向けに内部販売されるだけで、購入するには同センターのミールカードを使って食堂で購入しなければならなかった。しかしそれでも注目を集める人気者になる妨げにはならなかった。今月11日に動画ニュース「看看新聞」が伝えたところでは、この月餅は中古品取引プラットフォームで599元、699元といった高値で取引されており、ネットユーザーによれば定価の16.5倍に当たる1288元の価格がついたものさえあったという。

パッケージのクリエイティビティと文化的内容という点では、各大手博物館に相当の優位性があることは間違いない——たとえば文化クリエイティブ分野でトップを走る故宮博物院は、今年は「朕の気持ち」と銘打った化粧箱入りシリーズ、「故宮建築」シリーズ、故宮の技術伝承シリーズなどを一気に打ち出し、どの月餅にも華麗で上品な雰囲気がある。中国国家博物館、陝西歴史博物館、上海博物館、成都金沙遺跡博物館なども遅れを取るまいと、それぞれに特色ある文化的でクリエイティビティにあふれた月餅を次々に打ち出し、アイディアと味を競った。

今年は月餅業者がさらにたくさんの新アイディアを打ち出した。月餅×スカーフ、月餅×お酒、月餅×たこ(凧)など、業界の枠を超えたさまざまなコラボが登場した。

さまざまなマーケティングの中で、一部のメーカーの月餅は価格が高騰した。ハーゲンダッツは天猫(Tmall)旗艦店で、フランスのルーブル美術館とコラボした月餅ギフトパッケージを打ち出し、価格はなんと998元だった。割引券を使っても798元と高額だが、今回のコラボではまだ最も高い商品ではなかったという。

調査会社の艾媒諮詢(iiMedia Research)のデータでは、中国の月餅売上高は2015年の131億8千万元から20年の205億2千万元に増加し、上昇傾向が続いている。新型コロナウイルス感染症対策が常態化する中で、国民が伝統的祝日をより重視するようになり、親族や友人を訪ねる時の手土産としてのニーズがこれから回復する見込みで、21年の月餅売上高は218億元に達すると予測される。218億元規模の月餅産業には、さまざまな「流派」のそれぞれに特色ある企業を受け入れる懐の深さがある。(編集KS)

「人民網日本語版」2021年9月22日

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