今月3日に映画「古董局中局(Schemes In Antiques)」が封切られ、今年の正月映画合戦が幕を開けた。10日時点で、今月中に37作品が封切られる予定となっている。今年の正月映画を細かくチェックしてみると、見る人をほっこりさせるようなユーモラスなコメディ映画が非常に少なく、そのジャンルはバラエティに富むようになっていることが分かる。中国新聞網が報じた。
1997年12月24日に、馮小剛(フォン・シャオガン)監督による映画「甲方乙方(夢の請負人)」が公開され、中国大陸部の正月映画の先駆けとなった。それから現在に至るまでの24年間、年末年始に合わせてたくさんの映画が公開されてきた。その期間中、張芸謀(チャン・イーモウ)監督や姜文(チアン・ウェン)監督、馮小剛監督、周星馳(チャウ・シンチー)監督といった映画監督が話題作を正月映画として公開するようになり、正月映画の興行収入が年間興行収入の3分の1を占めるという、輝かしい時代が作られた。
従来の正月映画は、中国国産映画がメインで、大作や見どころ満載のコメディが興行収入ランキングの上位を占めてきた。馮小剛監督の作品を映画館で見て、思いっきり笑ったり、笑いながら感動して、心をほっこりさせたりして、1年の疲れを癒すというのが、多くの人の正月の恒例行事となってきた。また、徐崢(シュウ・チェン)監督の「人再囧途之泰囧(ロスト・イン・タイランド)」、成龍(ジャッキー・チェン)のカンフーコメディ、周星馳監督のドタバタコメディ映画も、正月映画として大ヒットし、多くの人を映画館に惹きつけてきた。
しかし、近年は、正月映画の興行収入が低迷するようになり、家族で一緒に見てお祝いムードを楽しむのにより適している春節(旧正月)映画に対する注目が高まるようになっている。そのため、春節映画と正月映画の立場が逆転し、大作や話題作は春節に合わせて封切られようになっている。
11月30日の時点で、中国の今年の映画興行収入は442億8100万元(1元は約17.81円)に達した。つまり12月の正月映画の興行成績次第で、中国の今年の映画興行収入が500億元の大台を突破できるかが決まるということだ。新型コロナウイルスのパンデミックが世界の映画界に悪影響を及ぼし続けている中、中国の映画界は迅速に回復し、奇跡を起こし続けている。
12月に公開される映画の公開日はバラバラで、17日には「誤殺2(Sheep Without a Shepherd 2)」が、24日以降は、「平原上的火焰(Moses On The Plain)」など13作品が続々と公開されることになっている。31日には「反貪風暴5:最終章 (G Storm)」、「以年為単位的恋愛」、「李茂換太子」、「忠犬八公」といった作品が一気に公開され、「今年の正月映画の中で、最も熾烈な競争が繰り広げられる日」との声も上がっている。しかし、どの作品にもそれぞれ見所があり、最終的にどの作品が頭一つ抜け出すかは、ふたを開けるまで分からない。(編集KN)
「人民網日本語版」2021年12月14日