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中国、定年退職年齢引き上げ実施が秒読みに 江蘇省などで試験的に実施開始

人民網日本語版 2022年02月23日15:13

中国国務院が最近発表した「第14次五カ年計画(2021‐25年)国家シルバー事業発展・シルバーサービス体系計画に関する通知」は、同期間中のシルバー事業やシルバーサービスに関する網羅的な計画を制定している。中でも、「法定の定年退職年齢を段階的に引き上げる」という文言が最も注目を集めている。

その文言には「定年退職年齢引き上げ」と「段階的」という2つのキーワードがある。

 なぜ定年退職年齢を引き上げ?

定年退職年齢を引き上げる主な原因の一つは、中国が高齢化社会から高齢社会への段階へと突入しつつあるからだ。

第7回国勢調査の統計によると、中国の60歳以上の人口は約2億6400万人と、人口全体の18.7%を占めている。また、65歳以上の人口は約1億9000万人で、人口全体の13.5%を占めている。そして、「第14次五カ年計画」期間中に、中国の高齢者人口は3億人を超えるとみられている。

定年退職年齢の引き上げは、人口の高齢化に対応するための重要な措置ということは明白だ。

次に、中国の現在の法定定年退職年齢は男性60歳、女性50歳(幹部の場合55歳)と、やや低く設定されている。

この規定が制定、実施されたのは1950年代で、これまで約70年間、一度も調整されていない。当時、中国の平均寿命は約50歳にとどまっていた。しかし、「第14次五カ年計画」期間中、中国の平均寿命は78.3歳にまで達する見込みだ。

大まかな統計によると、世界の主要30ヶ国の定年退職年齢はほとんどが65歳以上となっている。欧米諸国の場合、その年齢のほとんどは65歳で、米国は67歳。日本も男性65歳、女性60歳となっている。

 定年退職年齢引き上げの影響を受けるのは誰?

昨年の全国両会(全国人民代表大会・全国人民政治協商会議)で、定年退職年齢引き上げが正式に政府活動報告に盛り込まれた。

当時、全国政治協商委員を務める、中国社会科学院世界社会保険研究センターの鄭秉文センター長は、「定年退職年齢引き上げは主に、本来ならば定年退職年齢だった60歳の男性、55歳の女性幹部、50歳の女性の3グループに影響を与える」と説明した。

定年退職年齢の引き上げを2022年に実施したとすると、以下の3グループが影響を受けることになる。

まず、50歳未満(1972年以降生まれ)の女性。

そして、55歳以下(1967年以降生まれ)の女性幹部と主に肉体労働に従事している男性。

最後に、60歳以下(1962年以降生まれ)の男性幹部。

つまり、定年退職年齢引き上げの影響を大きく受けるのは70後(1970年代生まれ)と80後(80年代生まれ)の男女で、中国人力資源・社会保障部(省)が制定する案では、十分な時間をかけて「段階的」に定年退職年齢が、計画の年齢にまで引き上げられることになっている。90後(1990年代生まれ)の男女が退職する時には、すでにその引き上げが完了していると見られる。

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