北京時間5日午後10時44分、二十四節気の「啓蟄」を迎える。最も寒い期間とされる冬至後81日間が終わり、大地に春が戻り、万物が一新される。風が穏やかになり、日差しもうららかになって、草木が萌えいずる。「春雷が鳴り、万物が育つ」と言われるように、冬眠していた虫たちも目を覚まし、姿を現してくる。新華社が伝えた。
歴史学者で天津社会科学院研究員の羅澍偉氏によると、毎年の西暦3月5日もしくは6日に太陽が黄経345度に達すると「啓蟄」の節気に入る。啓蟄は二十四節気の3番目の節気で、春の3番目の節気でもあり、春本番の始まりを象徴する。
啓蟄になると、中国全土の大半の地域で気温と地表温度が上がってくる。春雷が鳴るようになるが、この自然現象の多くが長江流域で生じる。北方地域で雷が鳴り出すのは4月に入ってからだ。この雷の音は言ってみれば「春の召集令」のようなもので、この頃になると万物がにわかに勢いを帯びてくる。
啓蟄が終わると、多くの農村が1年で最も忙しい時期を迎える。長江中・下流両岸の地域では、春耕に勤しむ風景が広がる。
啓蟄になると気温が急上昇し、日照時間が大幅に増えるが、まだ寒暖の差が激しい。この時期にはどのような健康対策を取るべきだろうか。羅氏は民間の伝統と健康専門家のアドバイスを結びつけ、「啓蟄の時期は気温差が激しい。こまめに天気予報をチェックし、適度に着る服を調節し、風邪に注意するべきだ。公共の場をできる限り避け、『密』を避け、インフルエンザなどの季節性疾患の感染拡大を防止する必要がある」と述べた。
気温が上がるにつれ、人体の「肝陽」の気が徐々に増えてくる。養生するにはこの法則に従い、植物性タンパク質とビタミンを豊富に含み、肝臓と脾臓に良く、体を温め潤す性質のあっさりした食べ物(シロキクラゲ、ハスの実、ヤマイモ、アブラナ、セロリ、ニガウリなど)を多めに摂り、脂っこい物や辛い物を控え、内臓をいたわり気と血流を活発にすべきだ。
春は空気が乾燥し、舌が乾き、喉がいがらっぽくなりやすい。果物のうち、梨は甘く寒性で、陰虚を治して熱を払い、肺を潤して咳を止める効果がある。生のまま食べても加熱して食べても、唾液の分泌を促進し、のぼせを鎮める効果を発揮できる。
生活については「夜臥早行、広歩于庭」(夜は冬場より遅めに寝て朝は早起きし、外をたくさん歩く)という古い教えにある通り、なるべく外に出て散歩し、新鮮な空気を吸うことで、気持ちをすっきりさせ、心身を健康にさせると良い。また、毎日一定時間の昼寝をすると体にいい。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年3月5日