国家外貨管理局はこのほど「2021年中国国際収支報告」を発表した。それによると、21年の中国の国際収支は基本的なバランスを保ち、外貨準備高は3兆2千億ドル(1ドルは約123.2円)前後で安定した。経常収支の黒字は3173億ドル、国内総生産(GDP)に対する比率は1.8%で、引き続き合理的でバランスの取れた範囲に収まった。同報告によれば、今年の経常収支も合理的な黒字構造を維持し、国境を越えた資本の流動が安定した秩序ある発展状況を維持することが予想される。
国際収支の面では、同報告によると、21年の中国の経常項目の黒字は20年比28%増の3173億ドルだった。このうち物品貿易の黒字がさらに増加し、新型コロナウイルス感染症の中で中国の産業チェーンやサプライチェーンなどが相対的に優位性を保ったことがわかる。貯蓄目的以外の金融機関の口座は382億ドルの黒字、20年は小幅の赤字だった。そのうち直接投資の黒字が高水準を保ち、ここから海外資本が引き続き中国市場と中国経済の良好な発展に向けたポテンシャルを高く評価していること、証券投資の双方向の取り引きが活発で黒字の状況が続き、人民元建て資産が外資への誘致力が高まっていることがわかる。
人民元レートの面では、同報告によると、21年の人民元の対米ドルレートは双方向の動きの中で全体として安定し、(特別引出権<SDR>を構成する)バスケット通貨が安定した動きを見せた。外貨市場の取り引きを見ると、企業の為替ヘッジ率は20年より4.6ポイント上昇して21.7%になった。業界関係者は、「昨年の企業の為替ヘッジ率上昇は、企業が人民元レートの双方向の動きによりよく適応したこと、為替リスクに対するニュートラルの理念を積極的に打ち立てたことを示している」と分析した。
同報告は、「今年は主要な先進エコノミーの金融政策は引き続き調整が行われ、外部環境には多くの不安定要素と不確実要素があるものの、中国の経済運営は合理的な範囲を保ち、金融市場の改革開放は緩やかに推進され、外貨市場の成熟度が持続的に高まり、中国の国際収支が基本的バランスを維持するのを支えるだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年3月28日