中国海洋石油集団有限公司(中国海油)によると、中国初の海上大規模超重質油加熱採取油田である旅大5-2北油田1期プロジェクトが23日、生産を開始した。今回採用された「超重質油加熱採取」開発モデルは、渤海湾盆地における1億トン級にのぼる超重質油の開発を支えることが見込まれる。超重質油は「黒琥珀」に例えられる。人民網が伝えた。
旅大5-2北油田1期プロジェクトが生産開始。画像提供は取材先
重質油は粘り気が強く流動性が劣る原油のことで、生産量が少なく効率が悪い。旅大5-2北油田は超重質油に属し、地層内の原油の粘度は5万ミリパスカル秒を超えており、渤海ですでに開発した最も粘度が高い原油の20倍以上に及ぶ。常温では固形のアスファルトに近く、流動しない。渤海油田の超重質油の確認埋蔵量は6億トン超で、渤海の確認地質埋蔵量の14.5%を占める。この部分の資源を活用し、大規模な埋蔵量を生産量へと変えることで、渤海油田の生産量4000万トン増達成を支えるとみられている。
旅大5-2北油田プラットフォームで採取された超重質油のサンプル。画像提供は取材先
中国海油傘下の遼東作業公司の汪本武副社長によると、同社は一連の研究を展開し、高温注入・採取一体化、井内高温安全制御などの難題を次々と克服し、漸次的予熱地層の熱注入プランを打ち出したことにより、旅大5-2北油田1期プロジェクトの超重質油のスピーディな開発の基礎を固めた。現在は油井入口上昇制御、坑井内耐高温ツール、一体化管柱、ガス注入工法などの海上重質油加熱採掘技術体制を形成しており、超重質油の大規模で経済的な開発を実現している。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年4月26日