イチゴ、ニラ、コリアンダー、唐辛子、ミニトマト……今、ベランダ菜園が若者の間で新たなライフスタイルや趣味になっている。
しかし野菜を育てるのは頭の中で思い描いていたように簡単なことではない。そこで、「野菜を育てるのに、種をまいたら後は何もしなくていいのがいい」と考える若い「シティ・ファーマー」たちに背中を押され、大手ECプラットフォームでは「家庭用スマート野菜栽培機」が好調な売れ行きを示している。
従来のモデルでは、土壌で野菜を育てようと思えば、植木鉢を買い、培養土と土壌改良材のココピートを入れて混ぜ、種を植え、定期的に土と水の量の割合に合わせて培養液を配合しなければならない。それに比べ、スマート栽培機ならほぼすべてを網羅したサービスを提供してくれる。
野菜作り愛好家の天天さんが購入した栽培機は5層構造で、一番下は種を発芽させる場所になっており、発芽すると上の層に移されて育てられる。全部で157株の野菜作りが可能だ。
栽培機はAとBと2種類を配合した培養液を野菜に与えるようになっており、毎月各1袋が必要で、1ヶ月に1回足せばいい。植物育成用LEDライトがついていて、これまで土で育ててきた時のように別に育成用ライトを購入する必要がない。水を入れるボックスとホースもあり、水やりの必要がなく、ボックスの容量は40リットルあって、定期的に水を足したり、時々ボックスを洗ったりするだけでいい。この機械を買ってから沢山の野菜を育ててきたが、天天さんは毎日10分ほど様子を観察し、野菜を収穫するだけでよく、実際に土で育てるよりもかなりの時間を節約できたという。
今市場にはたくさんの種類の「スマート野菜栽培機」が出回り、サイズはさまざまあり、価格も数百元(1元は約19.1円)から数千元までとさまざまだ。
インターネット店舗で今もっともよく売れているのは3層の栽培機で、価格は600-800元になる。一方で、初心者向けの1層の栽培機は100元から200元ほどで、毎月300点以上売れている。また一部のテクノロジー感満載の栽培機は3千元ほどするが、WiFiに接続してスマートフォンによる遠隔スマート操作で培養液を与えたり、日に当たる時間を調節したりする機能が備わる。
今、人々は家庭での野菜作りに熱を上げるが、スマート栽培機は価格の高さがネックだ。コストを考えた場合、家で育てた野菜を店で売っている野菜と同列に論じることはできない。
バイヤーの敏さんは、「うちの子はベランダ菜園を盆栽のようなものと考えている。ベランダで野菜を育てることはちょっとした楽しみだ」と話す。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年5月19日