中国最大面積のフレキシブルソーラーウィングがお披露目

人民網日本語版 2022年07月26日11:12

北京時間7月25日午前3時13分、実験モジュール「問天」がコアモジュール「天和」前方ポートにドッキングした。

「問天」と「天和」が7月25日、手を結んだ。実験モジュール「問天」が軌道上で運行開始した後、モジュール内の各種科学装置が次々と作業を開始する。宇宙飛行士の宇宙における活動・生活における自由な電力使用を実現するため、問天には中国最大面積のフレキシブルソーラーウィングが搭載されており、コアモジュール「天和」のソーラーウィングと共に、中国の宇宙ステーションにおける正真正銘の「エネルギーの源泉」になる。中国新聞社が伝えた。

問天のフレキシブルソーラーウィングは、中国航天科技集団第八研究院が開発を担当。2021年4月29日に打ち上げられた天和は、中国初の大型フレキシブルソーラーウィングを応用。展開時の面積は67平方メートルで、標準的なバドミントンコート(シングルス用)の広さに相当する。今やこの面積の記録は問天によって更新された。その展開時の面積が100平方メートルを超える「翼」が2つあり、出力は18kWにのぼる。このような4つのソーラーウィングは、宇宙ステーション完成後の3モジュールコンビネーションのエネルギーの80%を賄える。

実験モジュール「問天」のイメージ図(画像提供は中国航天科技集団)

ソーラーウィングが巨大であるため、デザイナーは太陽電池を貼り付けるウィングの基板に超薄型・軽量複合材料を採用した上、宇宙環境の防護に用いるコーティングの厚みを厳しく制限し、その重量を減らした。ソーラーウィングの全体を畳んだ後の厚さはわずか18センチメートルで、1台の携帯電話の長さに相当する。これは剛性ソーラーウィングの8分の1しかない。

大まかな計算によると、宇宙飛行士3人の1日の活動・生活の電力消費量を320kWh前後とした場合、従来の剛性及び半剛性のソーラーウィングはその体積、重量、出力などの制限によりこの需要を満たせない。一方で、フレキシブルソーラーウィングは体積が小さく、展開時の面積が広く、重量出力比が高く、18kWの出力によりモジュール内のすべての設備の正常な稼働を保証すると同時に、宇宙飛行士の日常生活を保証できる。

2回展開技術が初お披露目

予定の軌道に入った後にソーラーウィングが順調に開くことは、宇宙機の打ち上げ成功を示す重要なシンボルとなる。ドッキングの絶対安全を保証するため、問天のソーラーウィングは世界で初めて2回展開というキーテクノロジーを採用した。全過程にかかった時間は約80分。

ドッキングの過程で、2つの数十トン級の宇宙機が毎秒約7.9キロメートルの速度で移動するため、両者の位置、速度、姿勢を正確に制御できて初めて信頼性の高いドッキングが可能になり、宇宙機の衝突を回避できるのだ。

またソーラーウィングが完全に展開されると、実験モジュールは両手に1枚の大きな帆を持つようなことになる。わずかな振動も実験モジュールの速度、相対位置、飛行姿勢の制御の精度を大幅に下げ、制御の難易度を上げる。

2回展開技術とは、実験モジュール打ち上げ後の独自飛行段階において、フレキシブルソーラーウィングがまず一部のソーラーパネルを展開し、実験モジュールのエネルギーの需要を満たすと同時に飛行制御の難易度を下げることにより、ドッキングを安定的で正確なものにし、その完了後にフル展開することで、完全なエネルギーシステムを構築することだ。(編集YF)

「人民網日本語版」2022年7月26日

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