8月22日、華為(ファーウェイ)はスマートフォン「Mate50」シリーズを9月6日発表することを明らかにした。これはつまり、9月7日に発表されるアップルのスマホ「iPhone(アイフォーン)14」と正面からぶつかり合う展開になりそうだということを意味する。このニュースを受けて、セカンダリーマーケットでは多くの銘柄がストップ高になった。ファーウェイ関連銘柄もこの日は全体として値上がりし、1.38%上昇した。
今回の「Mate50」シリーズの発表時期がアップルとぶつかったことについて、業界関係者の多くは、「ファーウェイの『競争を恐れず、正々堂々と渡り合おうとする姿勢』を示している」との見方を示す。
中国人工知能(AI)学会の専門家の張孝栄さんは、「下半期はスマホ新製品の発表シーズンだが、今回のようなバッティングは、大きな確率で偶然ではなく、ファーウェイがスマホに強い自信を持っていること――製品の品質でアップルに負けない自信があることを示している。半導体問題で市場シェアが大幅に低下したものの、ファーウェイはスマホ分野でまだまだアップルと戦える」と述べた。
注目されるのは、今回のファーウェイのスマホ新製品と幅広いシーンでの新製品の予告ポスターに、「夜明けに姿を現し、頂上で目にかかる(破暁而出、巓峰相見)」という意味深長な一文があったことだ。市場では「iPhone14とMate50と、どちらにより期待するか」などが話題になり、関連のニュースが微博(ウェイボー)で急速にトレンド入りした。
上海釘科技有限公司の創業者の丁少将さんから見ると、2大ブランドの新製品発表時間非常に近いことから、外部からより多く比較され、注目もされるだろう。そしてここにはファーウェイが半導体をめぐって圧力をかけられた状況の中で、引き続き製品のイノベーションに大きな自信を持っていることが体現されてもいる。これはハイレベルスマホの力比べであるだけでなく、2大スマホメーカーによる技術や基本ソフト(OS)からブランドに至る全面的な力比べでもある。その時、アップルの「iOS 16」とファーウェイの「鴻蒙(Harmony、ハーモニー)も「正面から組み合う」だろうという。
コンサルティング会社納弗斯のアナリストの李懐斌さんは、「ファーウェイは端末産業チェーンでのイノベーションで動きを止めたことがなく、半導体問題が解決すれば、スマホは元の状態に戻るだろう」との見方を示した。
今回発売される「Mate50」はコア部品のほとんどで国産化を実現するかもしれない。サプライチェーンの情報によれば、「Mate50」シリーズはすでに量産化の段階に入っている。中でも特に注目される変化は、国内サプライチェーンのメーカー数がさらに増えたこと、重要コア部品は基本的に国産プランを採用して、テクノロジーの自立を目指していることだ。ファーウェイの「Mate40E」や「Mate P50」などのスマホでは、部品の国産化率がすでに50%を超えた。
実際、競争の激しいスマホ市場で、ファーウェイ、小米、OPPO、vivo、栄耀などの中国国産ブランドが次々に力を入れ、高級端末分野のシェアを獲得しようとしている。中国のスマホメーカーは技術と製品の世代交代を通じて、アップルやサムスンなどによる独占状態を徐々に打ち破ってきた。
天風国際証券のアナリストの郭明錤さんは、「ハイエンド製品はスマホブランドが生き残るための道だ。ファーウェイ『Mate50』の市場の反応がよければ、それ以外の国内ハイエンド製品を鼓舞する効果を上げるだろう」との見方を示した。(編集KS)
「人民網日本語版」2022年8月23日