中国科学院が29日に明らかにしたところによると、7月24日に中国の宇宙ステーションの実験モジュール「問天」と共に宇宙に打ち上げられた実験サンプルである、シロイヌナズナと稲の種子が発芽した。シロイヌナズナの苗からはすでに複数の葉がついている。長稈水稲の苗はすでに高さ30センチメートルほどまで成長しており、短稈水稲の苗も5、6センチメートルほどになっており、成長具合がよい。人民網が伝えた。
人類が宇宙技術の研究を始めると、植物を利用し人類の地球外環境における生存に必要な食物、酸素、清浄な水を確保することが、宇宙生命科学の最も関心の高い問題になった。科学者たちは過去60年以上にわたり宇宙栽培と栽培する植物に関する多くの研究を行い、各種宇宙機で20種以上の植物の培養実験を行った。
微小重力条件下の稲の成長・発育状況。(画像出典:中国科学院)
問天には生命生態実験ラック、生物技術実験ラックなどの科学実験ラックが搭載されている。宇宙飛行士は7月28日、実験サンプルのシロイヌナズナと稲の種を入れた実験ユニットを問天の生命生態共用実験モジュールに設置し、地上からの注入指令を受け同月29日に実験を開始した。現在すでにシロイヌナズナと稲の種子が発芽している。今後はシロイヌナズナと稲の宇宙における種子から種子への全ライフサイクルの実験を行う。また宇宙飛行士が実験中にサンプルを採収し冷凍保存し、最終的には、宇宙飛行士と共に地上に帰還した後に分析を行う。
今回の宇宙実験サンプルのシロイヌナズナと稲は2種のモデル植物だ。同プロジェクトは主に宇宙の微小重力条件下における、シロイヌナズナと稲の開花調節の分子メカニズムを研究する。(編集YF)
「人民網日本語版」2022年8月30日