中国の国家歴史文化名城に指定されている四川省閬中市はその昔、「保寧」という地名だった。その地名が付けられたご当地グルメである蒸しパンの「保寧蒸饃」もまた数百年の歴史を誇る。「保寧蒸饃」は21の工程を経て作り上げられ、蒸しあがった後に、必ず「保寧」の赤いハンコを押すのが特徴。そのため「ハンコを押してから売る不思議な蒸しパン」と呼ばれている。
「保寧蒸饃」は、宴会での一品、ギフト、さらに旅行に行くときの携帯食として親しまれてきた。蒸したてを食べればふわふわと軟らかく、ほんのり甘い香りが漂う。また冷めた場合も硬くならずおいしい。長時間経った場合は硬くなるものの、もう一度蒸しなおせば、できたてのようなおいしさに戻る。
閬中市の古城観光業が盛んになるにつれて、観光客の間で、「保寧蒸饃」が特色あるご当地グルメとして人気となっている。2006年、「保寧蒸饃」は中国第一陣の「中華老字号(老舗)」に指定され、2013年には閬中市を管轄する南充市人民政府から無形文化遺産に指定された。(編集KN)
「人民網日本語版」2023年3月10日