
家畜を連れて乗車できる鈍行列車が人々の生活を豊かに
四川省の涼山彝(イ)族自治州にある大涼山山脈を横断する公益性を備えた鈍行列車 5633/5634号は、途中26駅に停車し、始発駅から終点駅までの所要時間は計約11時間。最高運賃は26.5元(1元は約19.4円)、最低運賃はたったの2元で、数十年価格は据え置きとなっている。


現地の住民のニーズを満たすべく、中国鉄路成都局集団有限公司は、公益性を備えた鈍行列車に家禽や家畜、大きな荷物のための車両を1両設置している。その車両は「鈍行列車の牧歌車両」と呼ばれている。


「鈍行列車」は、彝族の旅客にとって家禽や家畜を連れて乗ることができて便利性が高いだけでなく、輸送コストの節約にもつながっている。「動く自由市場」のようなこの車両では、新鮮な山の産物やニワトリ、カモ、ガチョウなどを「自由市場」に運んで売る沿線の住民の姿をたくさん見かけることができる。時には車内で売り買いが成立することもあり、そうやって購入した商品を鈍行列車で運び、帰途に就いている。

「鈍行列車」は現地の住民の生産や生活の一部となっており、沿線の彝族の人々が市場に行って売買し、豊かな生活を送ることができるようサポートする列車となっている。そして、彝族の人々の生活の変化をずっと見守り続けてきた。

高速列車が人々の生活をより豊かに

2022年12月26日に、全長915キロの成都市と雲南省昆明市を結ぶ「新成昆線」(成昆線の複線)が全線開通し、大涼山山脈の奥地にある甘洛県、越西県、喜徳県、冕寧県なども「高速鉄道」時代に突入。沿線の人々の外出や貨物の輸送が非常に便利になり、沿線の資源の開発が促進されている。

彝族の旅客が多いという実際の状況に合わせて、成都局集団公司は、新旧昆線沿線の各駅や列車に彝族の係員や乗務員、出札係などを採用している。新旧成昆線の駅務員のうち、約130人が彝族で、彝族の旅客に便利で行き届いたサービスを提供している。

新旧成昆線は、時にはスピーディーに、時にはゆっくりと、サービス精神にあふれ社会的責任を果たす各世代の鉄道関係者の姿、そして、沿線の農村振興や夢、豊かな生活という素敵な物語を描き出してきた。(編集KN)

「人民網日本語版」2023年3月14日
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