中国の大学で最大規模のクラウドスマートコンピューティングプラットフォームCFFF(Computing for the Future at Fudan)が27日、復旦大学でリリースされた。この複雑な科学問題を発見・解決するために構築された科学研究の「スパコン」は、復旦大学と阿里雲(アリクラウド)などが共同で構築したもので、先進的な公共クラウドモデルによりスマート並列計算を提供し、1000億パラメータの大規模モデル訓練に対応する。これは中国の大学では初のケースだ。
「CFFFプラットフォームは多学科融合イノベーションに向けたAI for Scienceスマート計算クラスター『切問1号』と先端研究に向けた専用高性能計算クラスター『近思1号』の2つからなる」。復旦大学人工知能(AI)イノベーション・産業研究院の漆遠院長は、「100G高速データ伝送ネットワークとアリクラウドの世界をリードする大規模ヘテロジニアス・コンピューティングの融合調整技術、レベル別ストレージ技術、AI・ビッグデータ一体化技術に基づき、復旦大学のキャンパス内に設置される『近思1号』と1500キロメートル離れたアリクラウド烏蘭察布(ウランチャブ)データセンターの『切問1号』が真の意義の『スパコン』を構成する。復旦第4キャンパスのすべての実験設備の高速接続が可能で、ヘテロジニアス・コンピューティングの統一管理、計算任務の統一調整を実現し、異なる応用シーンの科学スマート研究・応用の需要を満たす。『東数西算』(東部地域のデータを西部地域で保存・計算すること)ノードに位置するアリクラウド烏蘭察布データセンターは、飛天スマートコンピューティングプラットフォームの公共クラウドモデルを通じ、対外的にスマートコンピューティングサービスを提供する」と説明した。
漆氏は「また公共クラウドはより低炭素でグリーンだ。アリクラウドグリーンデータセンター技術と烏蘭察布現地の天然の気候的優位性を結びつけることで、CFFFプラットフォームのPUE(電力使用効率)が年間平均で1.2以下となる。毎年2000MWh以上節電でき、二酸化炭素排出量を毎年1500トン削減する」と続けた。
CFFFプラットフォームの初の科学研究成果がすでに誕生した。復旦大学人工知能イノベーション・産業研究院の李昊氏のチームはこのほど、45億パラメータの中短期気象予報大規模モデルを発表した。その予測効果はオープンデータ集で初めて業界が公認する欧州中期予報センター(ECMWF)の平均水準に達した上、予測の速度を従来の数時間から3秒以内に短縮した。
これはCFFFプラットフォームが初めて生み出した大規模モデルでもある。復旦大学の金力学長は、「当学はCFFFプラットフォームを利用し、生命科学、材料科学、大気科学、集積回路などの世界的な影響力を持つ複数の科学大規模モデルを構築することを願っている」と述べた。(編集YF)
「人民網日本語版」2023年6月29日