漢詩吟を発展させた日本から学ぶ文化教育=中国紙 (2)
選出されている詩人に順位付けを行うと、1位は李白(26首)、2位は杜甫 (8首)、3位は王陽明(7首)。4位は杜牧と白居易(ともに6首)。5位は王維(5首)。6位は陶淵明、王昌齢、蘇軾(4首)、7位は沈●期(●はにんべんに全)、岑参、朱熹、真山民、高啓(3首)。8位は賀知章、劉禹錫、欧陽修、司馬光 (2首)。
選出されている詩歌はすべて中国人には馴染み深い名詩ばかりで、思想や内容ともに非常に特色がある。例えば、感情を奮い立たせ、人々に国を愛する情熱を駆り立てるような文天祥の「過零丁洋」(零丁洋を過ぐ)や、人々に労働で得られる成果を大切にするよう促し、節約や良い習慣を勧める李紳の「憫農」、母の子に対する慈愛の深さと、それに感謝する心というアジアの美徳を訴える孟郊の「遊子吟」などだ。特に陶淵明の「勧学」(実は、この名前は「雑詩」の1首目の最後の4句から名付けられた)や司馬光の「勧学歌」、朱熹の「偶成」や「勧学」などは、青少年の学生たちに固い決意で学習し、自らを奮い立たせて有能な人材になるよう勧めるもので、いわば青少年の学生たちが自ら積極的に学び取り、先人の後を引き継いで将来への道を開くための座右の銘ともいえる。日本の漢詩人はこういった「教育的な詩」に影響を受け、「勉学の詩」を創作し、広く日本人に受け入れられた。日本の中学や高校の教科書には、こういった勉学の意欲を駆り立てるような菅茶山の「冬夜読書」や広瀬淡窓の「桂林庄雑詠示諸生」が掲載されている。つまり漢詩は中国の文化人の影響を受けた日本の思想文化を重視して選出されたもので、例えば王陽明の「心学」(陽明学)は日本の政府や民間で高い地位を築いており、3番目に多くの詩が選ばれている。
上に述べたように、日本の漢詩吟は我々に対する啓示である。漢詩吟は隣国の日本で継承されていった、中華文明の無形文化遺産であり、今もなお発展し続けている。文化強国を築く上で、中国文化を現代の世界に伝える歩みを加速するために、中国は漢詩吟が広く伝えられ、発展していった日本での成功例を参考にするべきだ。まずは中国国内の中・小学校教育の中で、統一した文化教育を特別に取り入れ、その後徐々に社会や海外の中国語文化教育の中に推し広げていく。関連部門はこれらを重視し、なるべく早く適切な組織制度を設立し、漢詩吟などの中国伝統の語学教育法を現代の語学教育の中に継承して活用するように進め、漢語文化圏の伝統文化がより一層幅広く発展していくことを希望する。(編集MZ)
「人民網日本語版」2013年4月24日