四川地震は中国経済に大きなダメージを与えるか
四川省雅安市蘆山県でマグニチュード(M)7.0の大地震が起きてから48時間が経ち、現場では緊迫しつつも秩序をもった救援活動が行われているが、死傷者の数と経済的損失は増加を続け、資本市場も大きなダメージを受けている。「国際金融報」が伝えた。
21日の最新の公式統計によると、経済的損失の報告を行った漢源、石棉、ケイ経3県の損失は1億5千万元を超えた。非公式の統計によれば、同省5市(県)の経済的損失は19億8100万元に上るという。復旦大学経済学院の華民教授の指摘では、今回の地震が四川省の経済や中国全体の経済に与える影響は限定的だという。資本市場では、地震が相場に与える影響は限定的で、銘柄によっては一定の好材料になる、との予測も出ている。
上海交通大学上海高級金融学院の朱寧教授(金融学、同院副院長)によると、今回の地震が中国経済に与えるマイナス影響は限定的で、地域にしても破壊力にしても四川大地震とは比べものにならない。ある程度の期間は、災害後の復興再建が医薬産業やインフラ産業など一部の産業に発展のチャンスをもたらすことになるという。
▽資産の損失は大きいが、四川は「消化」する力がある
華教授によると、被災地域や地震の破壊力をみると、今回の地震による資産の損失は深刻だが、四川省や中国全体の経済への影響は限定的だ。雅安市は四川省の経済の中心ではなく、環境産業を主な産業としており、市の国内総生産(GDP)が省のGDP全体に占める割合は小さく、地震による資産の損失は完全に「消化」することが可能だという。
2008年の四川大地震では、国全体の経済的損失は8451億元に上り、四川省の被った損失が全体の91%を占めた。それからの3年間に、同省の被災県142県で復興再建のために拠出された資金は1兆7千億元に達した。