英語圏への中国語単語の「輸出」が盛んに (3)
実際には、中国語に由来する英語の単語が権威ある英語辞典に収められるまでにさまざまな要素が検討される。「オックスフォード英語辞典」を出版しているオックスフォード大学出版局の「英中辞典」、「中英辞典」の著者Julie Kleeman氏は、「全ての単語を対象に、辞書に収める前に、通用されている程度や使用頻度などを考慮する」とし、「イメージで言うと、英語を母語とする人が全く自然にその単語を使えるか、『外来語』という感覚が少しずつ弱くなっているかなどを考慮する。また、もしある単語が、メディアで広く使用されていれば、それがいくつかの報道の中で使用されているだけであっても、辞典に収めるかを検討する。そのほか、『直観』も考慮する。例えば、『guanxi(関係)』や『hukou(戸籍)』などの単語はとても直観的だったので収められた」と説明した。
現在、多くの中国のホットワード語が英語圏でも使用され、英語辞典に収められるのではないかと期待されている。例えば、「maotai(茅台、白酒のブランド)」や「Peking opera(京劇)」などの単語は、中国語を母語とするグループの間では大きな影響力を誇っているが、「輸出」後、英語の中でどれほどの影響力を持つかは今後さらなる観察が必要だ。
中国語の英語に与える影響力が増大
米テキサス州にある言語研究機構「グローバル・ランゲージ・モニター(GLM)」の報告によると、1994年以降に英語に加わった新ワードのうち、中国語に由来するワードが5%?20%を占め、トップだった。GLMのPaul JJ Payack総裁は、「驚くべきことに、中国経済が成長を遂げているのを背景に、中国語の国際英語に対する影響が、英語を使用するどの国よりも大きくなっている」と指摘している。
そのような現象について、華中師範大学(湖北省)語言・語言教育研究センターの姚双雲・教授は、「主に原因が3つある。1つ目に、英語は開放度が高く、包容力も強いため、さまざまな言語を由来とする単語が入り混じっている。2つ目に、科学技術が飛ぶ鳥落とす勢いで発展し、文化交流が日に日に増加していることが挙げられる。そうなると、必然的に、各種言語の言葉がほかの言語の中でも使われるようになる。3つ目は、中国語の国際的地位が日に日に高まり、英語に与える影響も大きくなっていること。これは最も重要な点。中国語の単語が大量に『輸出』されていることの根本的な原因は、中国の世界に対する影響力が高まり、注目されるようになっているから」と分析している。