長澤まさみ、金城武が台湾で映画「太平輪」の撮影
台湾メディアの報道によると、香港を代表する呉宇森(ジョン・ウー)監督の最新作「太平輪(The Crossing)」の台湾での撮影がこのほど始まり、金城武、長澤まさみなどが気温10度の肌寒い天気の中、屋外でのロケに挑んだ。台北市陽明山で行われたロケで、恋人を演じる2人はススキが生い茂る草原を歩きながら愛を深めるシーンを撮影した。フランスの巨匠・リュック・ベッソン監督が最近、最新作「Lucy」のロケを台湾で行い、地元メディアの執拗な写真撮影に激怒したことが報じられたこともあり、「太平輪」のロケにはいつも以上の数のスタッフを動員しているほか、テントや小屋・コンテナを、周囲からの視線をさえぎるように設置するなど、厳戒態勢をとっている。中国広播網が報じた。
▽日本占拠時代の建物を再現
同ロケは主に、日本占拠時代の台湾のシーンで、長澤演じる旧日本軍と共に台湾に来た財閥の娘と、金城演じる台湾の医学生が冷たい風が吹く山中で密会するというものだった。呉監督はこの作品の撮影のために数百万元(100万元=約1700万円)の費用を投じて日本占拠時代の様式を再現した2階建ての建物を建設、そのうちの1棟は長澤の台湾の家という設定だ。
台湾メディアの報道によると、2人はススキが茂る草原で肩を並べ語り合い、一方の撮影スタッフは遠くからショットガンマイクロホンを掲げて收音していたという。冷たい風が吹きつけ、濃い霧が立ち込める中、スタッフはダウンコートやマスクなどを身に付け「完全防備」していたのに対し、2人は薄着での演技に臨んだ。そのため2人には生姜湯などのあったかグッズが用意されていた。
▽寒空の下、2時間以上撮影
別のシーンで、長澤は一人で広大な草原を歩き回り、風に髪をなびかせ、腕を組んでぶるぶる震えながら空を見つめるなどのほか、突然しゃがみこんで泣いたりする演技を行った。レールに乗ったカメラマンはゆっくりと移動しながらそれを撮影し、風の音以外には何も聞こえないシーンだったという。
呉監督は現場で、カメラマンの横でモニターに釘付けになり、通訳を通して俳優に立ち位置や演技に関する考えを伝えていた。空を眺める同シーンだけでも、呉監督は何度もカメラの位置を変えながら2時間近く続け、あたりが暗くなり、霧が濃くなったのを見て、午後5時ごろに終了したという。
隣では古い建物の工事が行われており、スタッフらが大型コンテナから荷物を降ろすなど忙しく働いていた。また、桜の木の下には土を積んだ一輪車が並んでいる。「レッドクリフ」など大作を制作してきた呉監督は、世界で名を馳せているとあり、撮影には高いレベルを求めているようだ。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年12月13日