中国元「慰安婦」、安倍首相と橋下大阪市長に抗議文
旧日本軍による暴力の被害者である中国の元「慰安婦」はこのほど、安倍晋三首相と大阪市の橋下徹市長が、日本軍国主義の侵略行為と女性を性奴隷にする反人類的な犯罪行為を否定する言論を行ったことに対して、抗議文を提出した。「人民網」が伝えた。
抗議文の中では、「日本の軍国主義が中国を侵略したことは歴史的な事実であり、数千万の中国人民が旧日本軍に殺され、数十万の中国人女性が旧日本軍の『慰安婦』になるよう強制された。加害国の日本政府は中国の被害者に謝罪すると同時に被害者の遺族に対しても謝罪し、慰謝料を支払うべきである」と指摘している。
被害者らはいずれもすでに高齢になっており、直接北京に赴き日本大使館に抗議することができないため、代理人の康健弁護士が抗議文全文をマスコミに公開。同時に在中国日本大使館と大阪市役所ににも郵送した。
橋下市長は先月13日、「銃弾が雨嵐のごとく飛び交う中で命をかけて走っていくときに、精神的にも高ぶっている猛者集団をどこかで休息させてあげようと思ったら、慰安婦制度は必要なのは誰だってわかる」「日本は国をあげて強制的に慰安婦を拉致し、職業に就かせたと世界は非難している。だが、2007年の(第1次安倍内閣の)閣議決定では、そういう証拠がないとなっている」と発言。各界から大きな非難が集まっていた。橋下市長は27日の記者会見で、改めて慰安婦制度を認めたわけではないと釈明し、この発言はマスコミによって誤解されたと述べ、この妄言の責任を他人に押し付け、未だにこの発言に対する謝罪や撤回をしていない。
安倍首相は首相となってまだ間がない頃に、旧日本軍による侵略や植民地の歴史に対して謝罪や反省の意味を込めた以前の政府による「河野談話」や「村山談話」を引き継ぐ考えを示している。しかし、その後安倍首相は次々に「侵略の定義は定まっていない」発言や「靖国神社容認」発言などを行ったあげく、何度も自らの発言に対して釈明や修正を行っている。「慰安婦」問題について、安倍首相は表面的には橋下市長と一線を画しているが、事実上は依然として「強制慰安婦の証拠は不十分である」という考えは堅持しており、日本政府の責任を否定している。その言行が中国や韓国などのアジア諸国の政府や人民に強烈な不満や抗議を呼び起こしている。(編集MZ)