毛丹青氏日本語訳書2冊、今月中国で発売
三浦友和氏の「相性」と見城徹氏の「異端者の快楽」の訳書 |
在日華人作家、神戸国際大学教授の毛丹青氏は今月、訳書2冊を出版し、8月に開催される上海ブックフェアに参加する。「中国新聞網」が伝えた。
訳書は三浦友和氏の「相性」と見城徹氏の「異端者の快楽」。「相性」では三浦氏の妻、山口百恵さんへの想いや人生の悟りが描かれ、人民文学出版社から発売される。「異端者の快楽」は、数々のベストセラーを手がけた名編集者である見城氏の自伝で、内向的だった同氏がいかにミリオンセラーを売り上げる出版王になったかが描かれ、湖南文芸出版社から発売される。
関係者によると、村上春樹氏の最新作「色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」の中国語訳も、毛丹青氏が手掛ける可能性がある。これについて毛氏は、「いまはフィクションよりもノンフィクションの日本語作品により関心がある」と語る。
毛丹青氏は日本語作品「にっぽん虫の眼紀行」が1999年、第28回神戸っ子ブルーメール文学賞を受賞し、一躍有名となった。NHKラジオ番組で朗読されたり、日本の大学の国語入試問題に採用された文章も少なくなく、日本文芸界の注目を集めた。
毛丹青氏は日本語著作のほか、多くの中国語著作も上梓しているが、手掛けた翻訳作品は少ない。「今回出版される両書の原書はいずれも現代日本人が書き下ろした。我々と同世代であり、三浦氏は人との愛情を、見城氏は人がいかに運命をつかみ、立志するかを述べている。中国に紹介する価値があり、とりわけ若い世代に読んでもらいたい本。これも我々が日本を理解する大切な道程のひとつ」。毛氏は期待している。(編集HT)
「人民網日本語版」2013年7月1日