大幅な円安 産業回帰を試みる日本企業
オムロンは来年より、日本にある電子血圧計の生産ラインを再稼働させることを決定した。中国で生産されていた一部の電子血圧計が、日本生産に戻ることになる。北京青年報が伝えた。
オムロンは1990年代に、電子血圧計の生産を人件費の安価な中国市場にシフトした。当時の中国の人件費は、日本の10分の1未満だったという。しかし中国の人件費などのコストが上昇を続け、この差はすでに4分の1にも満たなくなっている。
オムロンより先に、アップルのパネルサプライヤーのジャパンディスプレイは昨年より、中国蘇州工場の一部の生産能力を日本の茂原工場に戻すことを計画していた。同計画は今年中に完了する予定だ。これもまた、中国と日本の製造コストの開きが縮小されていることが原因だ。ジャパンディスプレイは、日本で自動化生産効率アップなどの手段により、「メイド・イン・ジャパン」も一定のコスト競争力を維持できると表明した。
業界関係者は、このような産業回帰現象が主流になることはないと判断している。大幅な円安、人民元相場の上昇が生じているが、日本の人件費は中国をはるかに上回るという事実がある。しかし上述した業界関係者は、「中国と、ベトナム・タイ・インドネシアなど東南アジア諸国との人件費の間にも、開きが生じている。そのため日本企業を含む多くの外資系企業が、中国の生産能力をこれらの東南アジア諸国にシフトする大きな流れに注意が必要だ」と指摘した。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年6月25日