米国よ、戦争によって国際ルールを守るだと? (2)
米国は強大な軍事力を持つだけでなく、力を行使する「道義上の高みにある」とのロジックも使っている。このロジックは、いつでも始まりうる軍事行動と比べても、さらに悪質だ。米国は国際社会には理解しがたく、受け入れることもできないロジックを用いて問題について考え、決定をしている。これは全くの傲慢さ、唯我独尊の横暴さ、我が道を行く傍若無人さを意味する。また、米国が必要と考えさえすれば、いつでも軍事行動を起こす可能性があるということも意味する。これがもたらす安全喪失感は国際関係システムにとって大きな衝撃だ。
現行の国際関係の基本ルールは、二度にわたる世界大戦の痛ましい経験に基づき、一歩一歩構築されたものであり、多大な苦難と引き換えに得た覚醒と知恵の結晶だ。平和と同様、国際関係の基本ルールも空気や陽光のように恩恵を受けている間は意識しないが、失えば生きていけないものだ。この点については、米国も全く知らないわけではなかろう。さもなくば、オバマ大統領が国際関係の基本ルールを守ることを軍事行動の理由とすることもあり得ない。強調しておく必要があるのは、武力行使はジャングルの掟を強化するだけであり、この原始的掟は低級で、劣等で、血腥さと暴力をもたらすだけであり、国連憲章に凝縮された国際関係の基本ルールのように世界に平和と安寧をもたらし、素晴らしい明日へと向かう希望を人類に与えることは全くあり得ないということである。
誰が化学兵器を使用したのであれ、厳しい非難と制裁の対象となる。この点において、国際社会になんら溝はない。事実関係をはっきりさせることが、行動に出るための前提であり条件だ。戦争と平和に関わる重大な問題において、各国は慎重かつ歴史に責任を負う姿勢で臨むべきだ。もし米国が国際関係の基本ルールを一体守っているのか破壊しているのかの識別力を完全に失い、国連の権威ある調査結果を待つ忍耐心を失ったのならば、世界にとっての悲哀であるのみならず、それ以上に米国にとっての悲哀だ。歴史上、識別力と忍耐心を失った強国は枚挙にいとまがない。繁栄と衰退の法則は示唆に富む。(編集NA)
「人民網日本語版」2013年9月2日