変わりゆくお年玉文化 数万元に達することも
「香港で春節(旧正月)に私と弟がもらっていたお年玉は10香港ドル、20香港ドルくらいでした」。香港で生まれ育った23歳の陳皓峰さんは今年、北京で春節を過ごし、大陸部のお年玉の厚さに驚いたという。新華網が伝えた。
中国では、「圧歳銭」(お年玉)は、「歳」と「祟」(たたり)が同音(sui)であることから、魔除けの意味もある。年長者は、若年者への思いやりと心遣いをこめてこれを渡し、若年者はこれを受け取って一年を平安に過ごすという意味があった。
お年玉を受け取った子どもにとっては、「お母さんが預かっておくね」というのは一番聞きたくない言葉だろう。だが80年代生まれの子どもたちが大人になった今、お年玉を両親が管理してくれていたことのありがたみに気づいたという声も聞かれる。瀋陽の27歳の李博さんは、7歳から両親に預け続けていたお年玉が、マイホーム購入の頭金になった。広東省の24歳の賈楽楽さんは、4年間の大学の学費を、貯めていたお年玉で払ったという。
子どもが受け取るお年玉の額は上がり続けている。少なくて数千元、多くて数万元というケースもある。こうしたお金は、保護者が子ども用の口座を作って管理し、子どもは必要時に親に申請してこれを使うといった方式が取られることが多い。
最初は数十元、数百元にすぎなかったお年玉が、数千元にもふくらんだことは、人々の生活レベルの向上によるものではあるが、人間関係の距離をはかる基準にもなりつつある。「気のおけない親戚のはずなのに、気前よくお年玉をわたさなければ失礼に思われるんじゃないかと心配になってしまいます」。大家庭に育ったという劉洋さんは、春節のお年玉に対する“暗黙の了解”をこう説明する。