欧米、中国のハイエンド製造業に反ダンピング攻勢
EUは近頃、貿易問題で中国に絶えず難題を突きつけている。中国の鋼製品・レアアースに続き、ハイエンド製造業がこのほど「貿易包囲網」の範囲に組み込まれた。海外メディアは2月6日、欧州の業界団体が中国製のソーラーガラスに対する反ダンピング申請を欧州委員会に提出したと報じた。国際金融報が伝えた。
EUは昨年、中国製の太陽電池パネルに対する反ダンピング・反補助金調査を始めたばかりだ。米国国際貿易委員会(ITC)も先週、華為・中興など中国メーカーの3G・4G無線設備に対する337調査を開始している。専門家は「EUと米国は中国の太陽光発電、通信設備に対して頻繁に攻勢を仕掛けている。表面上は貿易紛争に見えるが、実際は新興産業分野における競争なのだ」と指摘する。
▽欧州業界団体、反ダンピング提訴
報道によると、EUの企業からなる業界団体「EU ProSun Glass」は、中国からEUに輸出されるソーラーガラスに対し、100%以上の関税を課すことを希望しているという。
同組織が公式サイト上で明らかにしたところによると、2010年-2012年にかけ、欧州市場におけるソーラーガラス製品の需要増加はわずか5%未満だったにもかかわらず、同時期、中国企業の欧州における売上高は3倍に増加した。現在、欧州が輸入するソーラーガラスの90%は中国製のものだという。
「EU ProSun Glass」は、中国企業が低価格で商品を提供できるのは電力補助金を受けているためと主張する。ソーラーガラスの生産過程において、電気料金はコストの約3分の1を占める。同団体は今後数週間にわたって訴訟範囲を拡大し、違法な補助金に関する項目も組み込む予定だという。
EU市場で28%のシェアを占めるInterfloat社は、「一部の中国企業は近年、商品価格を欧州メーカーの損益分岐点の半額前後に設定している」と指摘する。その結果、中国企業の欧州市場におけるシェアは2010年の8%から昨年は27%前後にまで急上昇したという。
英「フィナンシャルタイムズ」は、「今回の提訴により、再生可能エネルギー分野でのEUと中国の貿易紛争に新たな戦線が開かれた」と報じた。しかし、太陽電池パネルをめぐる紛争に関しては、欧州の太陽エネルギー業界内部からも反対意見が出ているという。中国向けに太陽エネルギー設備を販売する企業および、EU各国の電池パネル設置を手がける中小企業は、「関税を引き上げれば却って逆効果になる。太陽エネルギー関連製品の価格が上がり、数千人分の雇用に危機が及ぶ」とし、提訴に反対を表明している。EUの制度に基づき、欧州委員会は正式な調査を開始する十分な証拠があるかどうかを早急に確定する必要がある。