中国で地下鉄での飲食禁止が広がる理由 韓国メディア
韓国誌・経済評論は8日、「中国で地下鉄車内の飲食禁止の動きが広がる理由」と題する記事を掲載した。環球時報が報じた。
以下は記事の主な内容。
上海の夕方のラッシュ時には、地下鉄がすし詰め状態になる。しかし、そんな車内に誰もいない空間があった。なぜ誰もそこに近寄らないのだろうと不思議に思い近づいてみると、なんとそこには、用を足している子供の姿があった。中国とはいえここは地下鉄の中。本当に目を疑う光景だった。しばらくして、その子供は両親と共に下車。陣取っていた場所には、ビスケットの食べカスやビニール袋、それに便の入った袋が散乱していた。このように、他人の迷惑も顧みず、自分勝手な行動をする乗客が多発しているのを受け、上海の地下鉄部門は現在、乗客の地下鉄車内での飲食を禁じることを視野に、市民に意見を求めている。
中国人はお菓子を食べるのが好きで、ちょっとした外出の際にも、常に口が動いている。そのため、地下鉄車内での飲食も珍しいことではないのだ。駅のプラットホームでも、一家でサトウキビを食べ、食べカスを所かまわずはき捨てている光景をよく目にする。また、ヒマワリの種や落花生を食べ、その食べカスが散乱している状況も日常茶飯事。中国人の頭には、「掃除してくれる清掃員がいるのだから」という考えがある。
実際には、中国では毎日、驚くほどの量のゴミが清掃員の手によって集められ、政府にとっても頭の痛い問題となっている。上海では2009年より、地下鉄車内での飲食を禁止する政策を実施しようと試みてきたが、反対意見に阻まれ実現には至っていない。地下鉄車内での飲食を禁じる規定には、多くの中国人が反対している。出勤途中に朝食が食べれなくなるのは仁義に反しているというのがその理由だ。確かに、中国のサラリーマンの多くが、小一時間かかる地下鉄の車内で朝食を済ませている。このほか、地下鉄の駅には、食品を販売する自動販売機も多く、地下鉄車内でそれを食べてはいけないという規定には矛盾があると考える人もいる。
湖北省武漢市は昨年5月、中国では初めて、地下鉄内での飲食を禁じる条例に関する意見を公募した。現在、南京市や陝西省西安市、深センなども、同様の条例を実施し、罰則なども規定している。違反者の発見を強化するため、武漢市は専門のスタッフ200人以上を配備している。それでも最近、地下鉄車内でラーメンを食べる女性の様子を携帯電話で撮影しようとした乗客が、その女性にラーメンをぶっかけられるという事件が、中国のネット上で話題になった。
中国人の多くは、地下鉄車内での飲食やポイ捨ては、「習慣の問題」で、時間をかけて呼びかけや教育を実施なければ改善されないと考えている。また、罰金を含む政策の効果に関しても、意見が分かれている。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年4月11日