上海の連続銃殺事件、6人死亡4人負傷 金銭トラブルか (2)
従業員に評判の悪かった范容疑者
さまざまな原因が重なり、工場は経営再生が進まず、今年5月16日には生産を停止。裁判所により工場が競売にかけられ、売却が進んだところで、債務をめぐるトラブルが発生した。
株主の権利を分配する際、2年間は利益を両者に配当することで、李社長と范社長は契約を締結していたため、李社長は昨年、配当の支払いを要求したものの、それを手にすることができなかったため、両者の間には大きな溝ができていた。そして、5月に工場が競売にかけられたことを機に、范容疑者は工場内の設備を売却し、借金の返済に充てようとしたのに対し、李社長は、自分が投資して購入したものとそれに同意しなかった。
李社長と范社長は債務問題をめぐってこれまでに何度も話し合いの場を設けた。そこに、経営などを進める間に、資金を投じ、一定の株式を保有するようになっていた范容疑者が入り、同3人で話し合いを行ったものの、うまくまとまることはなかった。一方、従業員らによると、范容疑者の評判は良くなかったという。例えば、以前、李社長が直接経営していたころ、従業員は毎月の給与以外に、仕事に使う作業用品も受け取っていたものの、株式再編が実施されて以降の昨年6月からは、その配給はなくなったという。また、范容疑者は従業員に対してあいさつをすることはなく、「冷淡」という評判だ。
李社長が殺害されたのを受け、従業員らは、「李社長は工場の経営に向かず、費用対効果が上がらなかっただけで、待遇は良かった」と、悲嘆の色を隠さなかった。
ある従業員によると、給与は毎月15日に支払われ、5月15日以降は、生産が停止したため、支払いもストップした。そのため、従業員7-80人が5月に、労働紛争仲裁委員会に対して、給与の補償をめぐり、仲裁を申し立てた。そして、今月20日には、その裁判が開始した。ただ、補償の金額などはまだ確定しておらず、仲裁裁判が終わるまでは、従業員に、失業証明関連の書類が発行されない。そのため、従業員は就職活動にも踏み切れないため、同問題の早急な解決を待ち望んでいる。(編集KN)
「人民網日本語版」2013年6月25日