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高齢者権益保障法 子供の帰省を義務化

 中国で新たに改正された「高齢者権益保障法」が1日より正式に施行され、「子供は頻繁に帰省し親に顔を見せなければならない」が法律によって義務付けられた。これは高齢者と離れて生活している子供が、頻繁に帰省し顔を見せなかった場合、違法行為になることを意味する。中国新聞網が伝えた。

 新たな法律が施行されて間もなく、ネット上で白熱した議論が展開された。支持者は、高齢者の精神的需要を満たす基本的な権利だと主張し、反対者はその実行性を疑問視した。

 「頻繁に帰省」の基準とは何か、基準に合致するか否かをいかに判断すべきか?あるネットユーザーは、「新法は高齢者の福音であるが、実質的な問題を解決できない。法律で頻繁に帰省することを義務付けても、真の親孝行にはならない」と指摘した。しかし一部のネットユーザーは新法を歓迎し、これに期待しており、「少なくとも親孝行の法的基準が設けられ、若者の高齢者重視を促せる」と指摘した。

 甘粛省心理カウンセラー学会の莫興邦・副会長兼秘書長は2日に記者の取材に答え、「子供が頻繁に帰省し顔を見せなければ違法とは、法律の一つの善意であり、社会の空巣老人(子供が巣立ち、孤独に暮らす高齢者)の精神的扶養に対する関心を示そうとしたものだ。しかしこれは社会発展に伴う課題や、親孝行を含む中国の伝統的な道徳が日々すたれつつあることを反映している」と述べた。

 莫氏は、「現代社会はモノがあふれているが、高齢者の精神的需要が重視されていない。生活のストレスが増加しており、多くの子供は頻繁に帰省できないという苦境に陥っている。職を失うかもしれないという深刻な圧力により、彼らは帰省する気持ちがあっても、実際にはできないことがある。都市部と農村部の差が拡大し、出稼ぎ労働者の帰省にかかる費用が増加しており、両親の物質的生活を満たすことが最大の需要となっている。親孝行は古来より中国の伝統的な美徳であるが、これまで道徳という最高レベルのもので守られてきたことが、より低レベルな法律により規制されるようになった。これで社会文明が本当に前進したのかどうかについては疑問が残る。法律という手段で社会道徳を高めようとする試みは、常態化させるべきではない」と語った。

 しかし莫氏は、「頻繁に帰郷し顔を見せる」の法制度化を積極的にとらえている。「法律が示そうとしたのは願いであり、個人による法の順守は親孝行という美徳の継承だ。法律は規制というよりも、我々に何が『道徳ライン』であるかを教えているといえる」

 莫氏は、「伝統的な道徳の欠如は、文化教育から改善するべきだ。人の基本的素養を高めることを中心とし、社会の雰囲気および世論の導きを補助とし、各方面から親孝行の雰囲気を作り、自ら進んで親孝行をする軌道に戻すべきだ」と提案した。

 公式な統計データによると、2012年末現在で中国の60歳以上の高齢者数が1億9400万人に達し、総人口の14.3%を占めた。中国では高齢化が加速している。中国の高齢化ペースは現代化ペースを上回るため、「豊かになる前に年老いる」、「老後の備えをしなういちに年老いる」といった現象が深刻化している。高齢者はさまざまな問題と課題に直面している。(編集YF)

 「人民網日本語版」2013年7月3日

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