「鳥インフルのヒト間感染、初の発見ではない」 中国当局
中国国家衛生・計画生育委員会のトウ海華・報道官は8日、H7N9型鳥インフルエンザウイルスのヒトからヒトへの感染事例が確認された件について、「ヒトからヒトへの感染は、今回初めて見つかった訳ではない」と指摘した。中国新聞社が報じた。
トウ報道官のコメント内容は次の通り。
父から娘にH7N9鳥インフルエンザウイルスが感染したとする江蘇省疾病コントロールセンターの研究論文が英医学誌「British Medicine Journal(BMJ)」最新号に掲載され、メディアの注目を集めた。しかし、今回の父娘2人の事例は、4月に確定診断が下され、すでに公表されている。今回の父娘のケースのほか、上海に住む父と子供たち3人の感染、夫婦2人の感染事例について、国家衛生産児制限委員会・世界保健機関(WHO)合同調査チームの専門家が十分な分析と検討を行った結果、ヒトからヒトへの感染の可能性を完全に否定することはできないとの結論に至った。
中国疾病コントロールセンターが4月24日、医学誌「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン」に江蘇省・上海市疾病コントロールセンターの専門家と共同で発表した研究報告には、これら3件の集団感染事例について、上述の内容とほぼ同じ調査結果が示された。
今回MBJに掲載された研究報告には、初めて発見された内容が含まれている訳ではない。すでに発表済みの事例について、詳細データを引用して学術論文形式でまとめられたものにすぎない。従って、論文の内容が、H7N9鳥インフルエンザによる公衆衛生リスクに対する中国政府の認識を覆すものとはなり得ない。
今のところ、中国におけるH7N9型鳥インフルエンザ感染予防・コントロール政策は、すでに常態管理体制に移行し、落ち着いた状態になっている。国家衛生・計画生育委員会は6月末に通知を発表、有効な各種予防・コントロール政策を今後も続け、監視測定・疫病発生情況リスク評価を強化するよう、各地方政府に求めた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年8月9日