中国人研究者、鳥インフルのリスクマップ作成
H7N9型鳥インフルエンザの感染源と感染ルートは、依然として特定されていない。香港および中国本土の学者による研究チームはこのほど、流行病学と関連する「ウイルス拡散モデル」について研究を行った。研究者は今年2月4日から4月28日の中国東部地区の環境・気象データを分析し、同地区における渡り鳥の北への移動状況、および中国本土の31の省・直轄市・自治区の家禽肉生産・需要の状況を予想した。同研究結果は、H7N9型鳥インフルエンザの中国東部、さらにその他の地域への伝播のリスク評価に役立ち、ウイルスの地域内の蔓延抑制につながる。香港紙「文匯報」の報道を引用し、人民網が伝えた。
香港浸会大学コンピュータ科学系の劉際明客員教授、史本雲准教授、博士生の夏尚氏は、香港中文大学公共衛生・基礎医療学院の楊国静准教授および中国疾病予防控制センターの周暁農教授と共同で、過去12週間の渡り鳥の移動ルートおよび環境・気象データに基づき、潜在的な感染リスクを持つ生きた家禽の分布資料をまとめ、流行病学に関連する「ウイルス拡散モデル」を使用し、H7N9型鳥インフルエンザウイルスの時間に伴う地域蔓延のすう勢を数量化した。
◆生きた家禽の管理、ウイルス蔓延を抑制
研究者は二種類の伝播ルートを結びつけ、H7N9型鳥インフルエンザウイルスの中国東部地区で時間の経過に伴い蔓延する「リスクマップ」を作成した。それによると同ウイルスが発生してから8週間で、江蘇省、上海市、浙江省の他に、河北省、安徽省、山東省、北京市といったその他の地方でも、同ウイルスの感染リスクが存在し、8週間目から12週間目には、河北省、天津市、北京市でも蔓延のリスクが存在することがわかった。
研究結果は、地域・期間ごとにH7N9型鳥インフルエンザウイルスが発生する相対的なリスクの分析、各感染例の地域分布の説明に役立てられる。言い換えるならば、ウイルスの感染ルートが不明である状況下、渡り鳥が移動する重点地域でモニタリングを実施し、生きた家禽の流通ルートを監督管理することで、ウイルスの蔓延のすう勢を効果的に抑制できることになる。この研究報告書は5月3日に、世界的な学術誌「Infectious Diseases of Poverty」に掲載された。(編集YF)
「人民網日本語版」2013年5月15日