秋到来に伴い、鳥インフル警戒を再強化 中国
中国政府は、警戒態勢解除から2カ月しか経過していないにも関わらず、H7N9型鳥インフルの再流行予防に向けた警戒態勢強化に着手した。新華網が報じた。
農業部は7日、H7N9型鳥インフルエンザに対する下半期監視測定計画を発表、9月にウイルスに対する集中監視測定を実施することを決定した。
7日は、二十四節気の「立秋」にあたり、秋季が始まったことを意味する。研究によると、H7N9型鳥インフルエンザウイルスの流行には、季節的な特徴があり、高温が続く夏は感染力が大幅に弱まるという。
政府関係者によると、秋季の到来に伴い、中国衛生疾病コントロール部門は新たな予防コントロール措置計画の制定・発表を急ぐ見込みという。
今年3月、上海で世界初のH7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染例が確認された。その後、中国大陸部10省・市で続々と感染者が確認され、感染者は130人を上回り、うち40人が死亡した。
5月末、H7N9型鳥インフルエンザの新たな感染者増加がようやくストップし、中国大陸部で感染者が確認された地域は軒並み、感染拡大に対する緊急対策措置を解除し、予防コントロール業務も常態化管理に移された。
だが、一部の最新研究は、「秋季の到来に伴い、中国では、H7N9型鳥インフルエンザが再流行する危険性が少なくない。決して油断は許されない」と警告している。
中国国家鳥インフルエンザ関連研究室・陳化蘭研究グループが7月に発表した研究論文によると、H7N9型鳥インフルエンザウイルスは、ヒトの体内に入ると、突然変異が生じ、哺乳類に対する病原性と伝播力が明らかに高まることから、ヒトからヒトへの感染リスクがかなり大きくなる恐れがあるという。
陳化蘭研究グループは、「H7N9型鳥インフルエンザウイルスに対する予防・コントロール措置に関し、決して油断は許されない。自然界、特にヒトに感染した場合のウイルス変異状況に対する監視測定を強化すべきだ」と世界中に訴えている。
上海交通大学伝染病診断治療国家重点研究室の主任を務める中国工学院院士の李蘭娟氏は、「感染源を効果的に監視コントロールしさえすれば、感染ルートは可能な限り遮断できる。また、人々の免疫力を高めることで、鳥インフルエンザの広範囲に及ぶ発生や感染拡大を防ぐことができる」と指摘した。
李主任は、「H7N9型鳥インフルエンザのヒトへの感染は、十分予防可能な状況にある」と続けた。(編集KM)
「人民網日本語版」2013年8月9日